【行事名】 三重県伊賀上野方面へ視察研修・三重県支部との交流
【日 時】 2006年5月20日(土)から5月21日(日)
【場 所】 三重県
【天 気】 天気予報は雨。当日は曇りから快晴になった。
【参加者】 (会員:牧野、竹内秀、桑原、榊原靖、中井康、平松俊、永田、山田絹、浅井、真吾君、降幡)
【内 容】
毎年5月と10月に行われる恒例となりました知多支部研修旅行。今回は、5月20日(土)〜21(日)に三重県の伊賀上野、青山高原などの自然を観察しました。参加者11人でいつもよりやや少な目だったのが残念でしたが、驚きの発見や美しい自然との出会いに心弾む2日間を過ごすことができました。
5月20日(土)7:30東海市を車2台にて出発。まずは上野森林公園で三重県自然観察指導員連絡協議会の企画したネイチャーエクスプロアリングに参加しました。ネイチャーエクスプロアリングとはグループでネイチャーサインカードの指示をもとにコースを回りながら五感を使って自然を探勝するゲームです。三重県自然観察連絡協議会会長の加藤氏とともに全行程4時間のところをスケジュールの関係で2時間程度に道をカットし回りました。ここでは農薬散布がないことから多くの昆虫に出会うことができました。一番多く目にしたのがマツの葉を食べるマツノキハバチの幼虫です。かなりの食害を受けていましたが、この幼虫がマツの木に致命的な打撃を与えることはないそうです。その他オトシブミの巻いた葉、ヨコヅナサシガメ、タイコウチ、キバネツノトンボなどがいました。植物は、ツツジやハルリンドウ、カマツカの花が美しい彩りを添えていました。
その後、高倉神社の境内のシブナシガヤ、アヤマスズを見に行きました。シブナシガヤはこれか???とよくわからず、更に果号寺へ進み国の天然記念物シブナシガヤを確認しました。その実を拾い食したところ樹脂のような風味がありクセのある味でした。
上野城では、ムクロジの実が落ちて果肉の部分が発酵臭を放っていました。そしてまたまたヨコヅナサシガメに遭遇。ここでは脱皮したての胴の部分が朱色の美しい成虫を発見しました。伊賀の街は、町あげてのイベントだったようで夜のアルコールとつまみの名物「養肝漬」を買い、宿泊先の大阪市立伊賀青少年野外活動センターへ向かいました。
伊賀青少年野外活動センターでは夕食後、灯火採集を行いました。かなり寒い夜だったのであまり期待はしていませんでしたが、オナガミズアオ1匹、その他小さなガやトビケラ、ハチの仲間などがやってきました。
21日は、青山高原に向かいました。青山高原では、奥山愛宕神社へ向かう予定だったのが、道を間違え入っていったところにモリアオガエルと水生昆虫の楽園があり、モリアオガエルの親、卵塊、アカハライモリ、ミズカマキリ、マツモムシ、知多半島ではほとんど目にすることができなくなったミズスマシなどを観察しました。
その後、無事愛宕神社を見つけることができ緑のアップダウンの回廊を神社目指し観察しながら進んでいきました。この付近の原生林は県指定の天然記念物に指定されており、北斜面の見事なブナの木、アセビやヤマツツジのトンネル、リョウブの樹のシカによる食害などを観察しました。また、岩陰からタゴガエルの声も聞こえました。
帰り道では、鈴鹿の金生水沼沢植物群落へ迷いながら到着。この湿原は、乾燥化が進み地下水をポンプで供給する措置がとられていました。植物は調査の痕跡はあったものの湿生植物を見ることはできませんでした。貴重な自然が残りますように…と願いながら帰路につきました。(記・牧野)
【観察した生き物】
◎植物
アメリカフウロ、ウリカエデ、ハルリンドウ、モチツツジ、ウスノキ、ニョイスミレ、モウセンゴケ、カワズスゲ、ゴウソ、ギンラン、ホウチャクソウ、ツルグミ、ツクバネウツギ、ウラジロ、オオズミ、スズカカンアオイ、
◎昆虫
ウスアカオトシブミ、キバネツノトンボ、マツノキハバチの幼虫、ツバメシジミ、アカハラクロコメツキ、タケカレハの幼虫、オトシブミ、マイマイガの若い幼虫、コミスジ、モンシロドクガの幼、コナラメリンゴフシ、カワトンボ、クロコガネ、ヨコズナサシガメ、アカタテハ、ミノウスバの幼虫、ヒラタシデムシ、オナガミズアオ、ウスクモエダシャク、エグリヅマエダシャク、リンゴコフキゾウムシ、ミズスマシ、フタホシコヤガ、マエモンシデムシ、ヒラタカゲロウ、ウズムシ、カワゲラ、キイイロクビナガハムシ、キイオサムシ、リンゴコフキゾウムシ、クロモンサシガメ、ニワハンミョウ、ケビコノハガ
◎鳥
◎その他
カニタケ、ヌメリツバタケ、モリアオガエル、
【観察会の様子】
【左】ウスアカオトシブミでしょうか。青山高原で確認。
【右】キバネツノトンボ。上野森林公園で確認。
青山高原はヤマツツジが満開でした。天気快晴、360度眺め良し。