【行事名】 津具高原方面観察旅行 (知多支部親睦研修旅行)

【日 時】 2013年5月25日(土)〜5月26日(日)
【場 所】 一日目:東海市大池公園⇒四谷千枚田⇒川宇連のハナノキ(国天)⇒カエル館(茶臼山)⇒アテビ平⇒津具高原・灯火観察(泊)
二日目:津具高原⇒津具鉱山⇒段戸山裏谷⇒伊勢神の湿原⇒東海市大池公園
【天 気】 晴れ
【担 当】牧野、降幡
【参加者】  名
   (知多指導員:降幡、桑原、平松俊、浅井一、永田、岩本、牧野)
   (その他支部:小山、松尾、大谷、浅井聡、山田、柿野、石川、前田、中西)
  【観察内容】(クリックを)
5/25(土)★四谷千枚田 ⇒ ★川宇連のハナノキ(国天) ⇒ ★カエル館 ⇒ ★アテビ平「小鳥の森」 ⇒ ★つぐ高原グリーンパーク(宿泊)

5/26(日)★つぐ高原グリーンパーク ⇒ ★津具金鉱山(金・) ⇒ ★段戸山裏谷原生林 ⇒ ★伊勢神湿地

【観察した生き物】
◎植物 
 ハナノキ、ノアザミ、コウゾリナ、ヨウラクラン、クサイチゴ、クレソン、ゲジゲジシダ、イヌワラビ、イチョウウキゴケ、ペラペラヨメナ(外来)、チゴユリ、タニギキョウ、ミヤマハコベ、テンナンショウの仲間、オシダ、ヒメカンアオイ、ミヤマガマズミ、ギンリョウソウ、モミジガサ、エゴノキ、テバコモミジガサ、コチャルメルソウ、ウスギヨウラク、ホソバシャクナゲ、ツリバナ、コバノガマズミ、タニウツギ、アズキナシ、コウゾ、ツクバネウツギ、スゲの仲間、フトヒルムシロ、カナクギノキ、イヌガンソク、ウスノキ、ヤマツツジ、ヤマグルマ、ヤブデマリ、アズキナシ、
◎昆虫
 
◎鳥
 ミゾサザイ、ホウジロ、カッコウ、ウグイス、ホトトギス
◎魚
 ヨシンボリ?、カワムツ?、
◎その他
 アカガエル、モノアラガイ、
【観察会の様子】
 
【左】四谷千枚田を前に説明を受ける     【右】国指定天然記念物、川宇連のハナノキ自生地

 
【左】ワンワンと鳴くカエルの「カエル館」    【右】段戸の林


【観察会続き】

  あいち自然観察会主催「水田の生き物観察」

★四谷千枚田
 
ここでは、棚田の保存に携わる小山氏・小椋氏より、棚田保存の歴史や難しさ、生物多様性の里山としての存在価値、生き物のことなど実に幅広くお話を伺った。 まず、鞍掛山を背景に見た棚田の全貌と美しさを堪能。この景観は、2010年に開催された生物多様性条約第10回(COP10)のパンフレットの表紙となり、ドイツで高い評価を得たらしい。収穫量が少ない上に手間がかかり、過去には山崩れなどの天災にも見舞われながらもこの美しい棚田を守り続けた人々の大変な労力に感謝せずにはいられない。棚田を形成する石垣の石は、すべて地元の自然石(主にデイサイトと松脂岩)だそうだ。  田植えの住んだばかりの水田の中には様々な生き物の姿を見ることができた。清流が流れ込む冷たいところには、冷水を好むヤマアカガエルのオタマジャクシが群れていた。カエルやオタマジャクシは当然たくさん出会うが、アカハライモリがいたのは嬉しい。また、サワガニも多く目にしたが水温が高いせいか死んでいるものもたくさんいたのが印象的であった。その他、ヤマアカガエル、トノサマガエル、アマガエル、タニシ、マドジョウ、カワヨシノボリ、カワムツ、ミジンコ、カワトンボなど。
 途中、千枚田で採れた米「みねあさひ」で作ったおいしい五平餅を食べた。

【左】コンビニのライトに夜、飛んできた昆虫を観察      【中】トビケラの仲間      【右】鞍掛山と千枚田


【左】水田近くの土手に咲くノアザミ、コウゾリナなど      【中】梅に着生していたヨウラクラン      【右】水田の生き物観察


【左】鞍掛山から出た岩石で水田の土手を作ってある      【中】松脂岩とデイサイトの説明       【右】左、松脂岩。右、デイサイト


【左】観察しながら登る        【中】美味しい五平餅をいただく        【右】民話の世界を聞く


【左】水産試験場のあった展望台から眺める       【中】急行されている棚田        【右】クロボシツツハムシ


【左】クサイチゴ        【中】シオカラトンボの羽化したばかりの個体        【右】水田にクレソン(外来)が生えている


【左】ゲジゲジシダ             【中】イヌワラビ          【右】イチョウウキゴケ


【左】水田にアカガエルのオタマジャクシの群れ       【中】モノアラガイ       【右】ヨシンボリ?


【左】カワムツ?          【中】ペラペラヨメナ(外来)          【右】チゴユリ

★川宇連のハナノキ(国天)
 尹良神社境内及びその周辺に自生するハナノキを観察する。
★カエル館
 奥三河に生息するカエルを中心に展示。スピッツ(イヌ)のような鳴き声の「ネバタゴガエル」も確認する。また、ここは、パワースポットとしてもアピールされており磁気測定器が反応するらしい。方位磁針で確認したと確かに逆転するが…?
★アテビ平「小鳥の森」
 茶臼山山麓に位置する「アテビ平」で森を散策する。アテビとは、アスナロの方言で別名クロベとも言うらしい。「小鳥の森」というだけあって様々な鳥の声が聞こえてくる。ウグイス、カッコウ、ホトトギス、美しい声でさえずる鳥も数種いるが、名前は不明。
 目視としては、ミソザザイ。3匹ほどがすぐ目の前に代わる代わる飛んできて、とてもかわいい。
 植物は、森ではよく目にするギンリョウソウの株やウスギヨウラク、ヒメカンアオイの花を見ることができた。ザゼンソウやミズバショウはすでに花の時期は終わり株が大きく育っていた。
 その他レアものとしては、ツキノワクマの爪痕、足跡、赤いダニなど。

【左】茶臼山のパワースポット           【中】タニギキョウ           【右】ミヤマハコベ


【左】テンナンショウの仲間          【中】オシダ           【右】ヒメカンアオイ


【左】ミヤマガマズミ           【中】ヒメハルゼミ?           【右】ギンリョウソウ


【左】モミジガサ           【中】ダニの仲間          【右】新鮮なクマの爪とぎ跡


【左】ウスグロモリヒラタゴミムシ?(体長9.5ミリ。茶臼山の山道で見つけました)   【中】ヒメホソナガゴミムシ?(体長11ミリ)    【右】ハナムグリ


【左】エゴノキの花びら           【中】ズキンタケの仲間?          【右】ミゾサザイ


【左】テバコモミジガサ            【中】コチャルメルソウ           【右】ウスギヨウラク

★つぐ高原グリーンパーク(宿泊)中西氏合流。
 斜面にシャクナゲ、ツツジの花が美しい。これは、たぶん植えられたものかな?
 
夜、ヨタカの声を聞く。  恒例の灯火採集を行ったが、気温が低かった為か期待したほどの成果はなかった(ガ類数種)ものの最後にオオミズアオ飛来した。
2日目
 
翌朝ペンション周辺を散策。  朝の散歩で出会ったもの:ベニバナイチヤクソウの花、1本だけ。タニウツギの花(ピンク・白)、新鮮なシカの足跡(岩本・牧野)、ニホンジカ(桑原氏)

【左】たくさん植えられたホソバシャクナゲ           【中】ツリバナ         【右】コバノガマズミ


【左】タニウツギ            【中】アズキナシ            【右】コウゾ


【左】ツクバネウツギ            【中】スゲの仲間            【右】フトヒルムシロ


【左】マツモムシトギンヤンマ?           【中】カナクギノキの花           【右】水生生物?


【左】スジコガシラゴミムシダマシ(体長9ミリ)      【中】アカアシクロコメツキ?(体長8ミリ。津具村金山跡にいました)     【右】キアシクロムナボソコメツキ?(体長7ミリ)


【左】チビタマムシ類(体長3.7ミリ)         【中】マルモンタマゾウムシ?(体長4.2ミリ)         【右】カクムネベニボタル?(体長9ミリ)


【左】オニアカハネムシ?(体長11.5ミリ。段戸裏谷の山道にいました)     【中】ヨコヤマトラカミキリ?(体長7.5ミリ)      【右】キバネニセハムシハナカミキリ?(体長5.5ミリ)


【左】キクイムシ類(体長4ミリ)              【中】シロトホシテントウ?(体長5.5ミリ)         【右】71


【左】ヨシノボリ?           【中】水銀灯で虫集め 【右】トビケラの仲間


【左】エダシャク類            【中】ガガンボ類            【右】シャチホコガ類


【左】アツバガ類           【中】クロヒメクビボソジョウカイ?           【右】ホシムラサキアツバ?

★津具金山
 武田信玄が金を採掘したことで知られる津具金山。金とおぼしき輝くものは、ほとんど黄鉄鉱であった。
 石にある小さな空洞に針の先ほどの極小の水晶の結晶を見つけることができた。
 オトシブミの巻いた葉がたくさんあった。

【左】津具金山入口            【中】坑道             【右】金鉱さがし


【左】77          【中】大きなシダ、イヌガンソク             【右】ヒゲボソゾウムシ類

★段戸山裏谷原生林
 愛知県内最大級の原生林でブナ、モミ、ツガ、ブナ、ミズナラ等の巨木が存在する見事な森である。川には魚(たぶんイワナ)がおり、素手で浅井氏が捕らえ観察。昆虫は、ニワハンミョウがたくさんいた。キノコは、サルノコシカケ科のみごとなキノコ群、傘の立派なオレンジのキノコ群などを観察する。
<穂の国みんなの森>
 ここは、植林地を伐採し、広葉樹を植え、森を再生するというプロジェクトがつくり出した森である。植えられているのは、ブナ、ミズナラ、ホオノキ、トチノキ、ヤマザクラなどこの地にあった樹木。

【左】段戸山林道           【中】整備中の「穂の国みんなの森」           【右】ウスノキ


【左】ヤマツツジ            【中】ヤマグルマ          【右】ムジナタケ(食)


【左】ヨツボシトンボ(段戸裏谷の池にいました)          【中】シオヤトンボ未熟♂            【右】シオヤトンボ成熟♂


【左】放置されている植林地           【中】モエギタケの仲間?          【右】ツガサルノコシカケ


【左】イワナ          【中】段戸山           【右】ミドリスギタケ?

★伊勢神湿地
 ・木道を渡りながら植物などを観察する。ノリウツギ、アセビ、ウメモドキ、ギボウシなど。ここでも浅井氏が網で魚(多分アブラハヤ)をとらえる。(記・牧野)

【左】遷移が進んだ伊勢神湿地            【中】湿地の解説             【右】シオヤトンボ


【左】ヤブデマリ           【中】アズキナシ          【右】アブラハヤ


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