里芋の親子関係   ( 種芋-親芋-子芋-孫芋-… )
2020.12.03 アップ (榊原正躬)             
 会員の皆様 こんにちは (^ω^)/
 コロナ禍の昨今、如何お過ごしでしょうか。
 思えば、自然観察と言うのは他人と接しずに出来ることなので、この時期にあっては、伸び々々&活き々々と出来るってことで、私は精力的に楽しんでます。
 さて、
 今回、知人の沢山の百姓談義の一つから、里芋の"親芋・子芋"に興味持ちまして、ちょっと、"追究"しました。
<私の"里芋" の認識>
 ・里芋=子芋と、つい、この前まで思っていた。
 ・親芋、子芋、孫芋…があるとは知らなかった。
 ・種芋の上に親芋が出来る…とは知らなかった。
 それで、観察(事実確認)のため、"知多自然観察会々員"の経営する農場である、"S 農場" 及び "H 農場"にお邪魔しました。
【農場の特徴】
 ・S 農場 … ベテランのプロ百姓に優とも劣らない百姓技術満点の農場主(一般企業退職者)の経営。水はけ良好畑。ここでの里芋は"栽培種"と呼ぶ。
 ・H 農場 … 水はけ状況の異なる農地を持ち、幼少の頃から百姓に接していた農場主(現役会社員)の経営。湿地畑。ここでの里芋は"自生種"と呼ぶ。
【 結論(感想) 】
 ・『手をかけた分だけイイものが出来、それが嬉しい』と農耕作実践中の方が、よく、言うが、それが実感できた。
 ・ただし、手をかけなくても出来る"自生種"は、観察地ぐらいの場所の広さがあれば、これまた十分良しと言える。
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 以下、出来ましたら、時間かけて、じっくり、ご覧ください。種芋の上に親芋が出来る典型写真も下段に掲載しました。
    ※ 写真をクリック→ビッグサイズ  [ 写真撮影日(農場訪問日): S 農場2020.11.23   H 農場…2020.12.1 & 12.2 ]
  S 農場

【左】S農場の里芋の畝(うね)   【右】一株掘り取ってくれていた…この土を払って…↓


【左】→下から眺めた図。"親芋"は見えない状態    【右】株を割って、親芋を上から見る


【左】株を更に割って、種芋と親芋の関係を見る → 確かに、種芋の上に親芋がある(この種芋は昨年の親芋を使用)
【右】株を割って "やしゃご芋"まである部分を取り出した。(やさしくヤッたが親芋と離れてしまった)

  H 農場

【左】H農場(?) の "里芋" 自生地の現場(湿地帯)【右】最も葉茎の太い一株を掘り上げた


【左】掘った穴にには、すぐ、水が溜まるので、ここで、相当な土を洗い流す…→
【右】→株が軽くなったら、"芋洗い場" へ運び、更に、ここで丁寧に土を洗い落とすと…↓


【左】→この一株は "種芋-親芋" が5ヶ、密集、密接の集合体であった。(※親芋-子芋の関係は無かった)
【右】[左]の5株の内の1株。この株だけ "孫株" が確認できた。種芋は、まだ、全体に固かった。

参 考】 ※ H 農場にて

【左】湿地ではなく、清水が集まって出来る水路(小川)に繁殖する里芋。なお、手前の葉は純白な花 "カラー"(湿地性)の群落の一部。
【右】[左]の場所から農業主が掘り起こした里芋を発見。大きめの子芋は食用のため摘み取られていた。しかし、その中で興味あるモノを発見…↓


【左】これが興味あるモノ。即ち、典型的な「親芋は種芋の上に出来る」の図。"種芋の種芋"は、さすがに、半分以上腐っていて全体の姿は無い。
   この自生種の親芋には子芋の影も無い。野生種はこのような状態であろうと推測。
【右】子芋や孫芋の付き方や大きさにしても、自生種と栽培種との差は歴然。


【上の1枚】
 最後に "芋洗い場"  ここは、年中、清水が集まって小川となっている場であり、スコップで掘ればすぐに "水たまり" が出来、絶好の"洗い場"となる。当然ながら、その穴は意外と早く埋まってしまうので、長い作業の場合は、時々、砂を掘り上げる必要アリ。