【行事名】 磯の生物観察会(瑞稜高校)
【日 時】 2011年6月11日(金) 9:30〜12:30
【場 所】 南知多町豊浜荒磯松海岸
【天 気】 晴れ
【参加者】 40名
(スタッフ:森田博、中井康、森田琢、大矢美)
【内 容】
過去4年間、この季節の観察会は2回が雨天でした。今年は昨日からの雨が止み、早朝に発生した霧も晴れ上がり好天に恵まれました。愛知県立瑞稜高校コスモサイエンスコース1年生40名の生徒たちは早朝からの授業でしたが、目を輝かして取り組む様子が随所にうかがわれました。観察は「磯浜の環境とそこに棲む生きものたちの適応」、「海辺の危険な生きもの」についてレクチャーした後、4班に分かれて行いました。生徒達は潮間帯の上部から下部に至る生物相の変化を目の当たりにして、長くその場に留まり注意深く観察することを体験しました。時間がアッという間に過ぎる中で、数多くの質問を頂き彼らの熱心さが強く伝わってきました。彼らはまだ1年生ですので「この生きものは何?」という質問が多かったですが、是非これからは、「この生きものは何故このような形態や生態をしているか」について疑問や課題を見つけ設問できるようになる事を期待しています。約2時間ほどの観察と採集で、後述のような数多くの生き物を知ることができました。 これを契機に海への関心をさらに深めていただければスタッフ冥利に尽きます 。(記・森田琢)
【観察した生き物】
◎藻類 ワカメ、ヒジキ、イロロ、イシゲ、ピリヒバ、キョウノヒモ、マクサ、ミル、アナアオサ、ウミトラノオ、ヒライボ
◎海綿動物 ダイダイイソカイメン、クロイソカイメン
◎刺胞動物 ヨロイイソギンチャク、タテジマイソギンチャク
◎環形動物 ヤッコカンザシ、ミズヒキゴカイ、エゾカサネカンザシ
◎軟体動物 ヒザラガイ、ヒメケハダヒザラガイ、ヨメガカサガイ、カラマツガイ、キクノハナガイ、マツバガイ、ウノアシ
ヒラスカシガイ、イボニシ、スガイ、コシダカガンガラ、アメフラシ、アメフラシの卵塊、クロシタナシウミウシ、オオヘビガイ、クボガイ
◎節足動物 フナムシ、イソガニ、ウンモンフクロムシ、ヒライソガニ、イシガニ、イワガニ、イワフジツボ、クロフジツボ、ワレカラ類、カメノテ、
ヤドカリ類(ケアシホンヤドカリ、ユビナガホンヤドカリ)
◎脊索動物 マンジュウボヤ、シロボヤ
◎棘皮動物 イトマキヒトデ、ヤツデヒトデ、クモヒトデ類、ムラサキウニ、マナマコ
◎魚類 ダイナンギンポ、ヘビギンポ、イダテンギンポ、アゴハゼ、ミミズハゼ
◎鳥類 トビ、(ハシボソ)カラス
【観察会の様子】
【左】磯浜の環境とそこに棲む生きものたちの適応について 【中】わかるかな、Q&A 【右】危険な生き物の説明
【左】用意した採集道具 【中】観察と採集の開始 【右】採集した生きものの分類仕分け
【左】分かちあい 【中】生きものの解説 【右】採集した生きもののリリース
【観察会続き】
【左】集合場所9時00分、10数羽のトビがピーヒョロロと空高く舞いながら鳴いていました。
【中】テトラポッドで護岸された磯浜海岸の景観
【右】当日は大潮、開始時刻9時30分頃の潮位は80cm、干潮予定時刻12時50分頃の潮位は0cmになります。
【左】飛沫帯の生きものたち
【中】テトラポッド上にはフナムシの群生が見られました。
【右】埠頭のゴキブリ(wharf roach)と呼ばれるフナムシですが、海岸の「掃除役」です。
【左】テトラ-ポッドの窪みや日陰に群生するアラレタマキビ
【中】潮間帯上部の生きものたち : 岩礁の割れ目に群生するカメノテ
【右】岩礁の日陰に帯状分布するクロフジツボ
【左】イワフジツボ
【中】マガキ
【右】岩の隙間へ逃げ込んだイワガニ
【左】イシダタミ
【中】ヒザラガイ(上面)
【右】ヒザラガイ(下面)
【左】潮間帯中部、下部、潮溜まり(タイドプール)の生きもの観察
【中】ダイダイイソカイメン
【右】クロイソカイメン
【左】ヨロイイソギンチャク
【中】ムラサキウニ
【右】マナマコ
【左】アメフラシ
【中】クロシタナシウミウシ
【右】マンジュウボヤ
【左】イトマキヒトデ(上面)
【中】イトマキヒトデ(下面)
【右】ヤツデヒトデ
【左】コシダカガンガラ(上面)
【中】コシダカガンガラ(側面)
【右】ウノアシ
【左】マツバガイ(上面)
【中】マツバガイ(下面)
【右】ヒラスカシガイ
【左】宿貝(ケボラ類)の殻の中に隠れたケアシホンヤドカリ
【中】イソガニ
【右】ヒライソガニ(甲羅 変異)
【左】磯浜の豊かな藻類 ピリヒバ
【中】イロロ
【右】イシゲ
【左】ワカメ
【中】ヒジキ(生殖器床)
【右】褐藻 (未同定)
【左】マクサ
【中】オキツノリ ?
【右】緑藻 (未同定)