【行事名】
「大台ケ原をたずねて」 知多支部担当県協議会親睦研修旅行
【日 時】
2012年5月26日(土)〜5月27日(日)
【場 所】
1日目:大台ケ原(西大台)
2日目:丹生川上神社→吐山スズラン群落
【天 気】
晴れ
【担 当】
南川
【参加者】
降幡、森田琢、南川、竹内秀、桑村りん、桑原、平田、吉房、吉川勉、浅井一、浅井真吾、山田絹、榊原靖、永田孝、牧野、浅井聡史、大谷敏和(尾張)、石川正雄(西三河)、山田博一(尾張) 計19名
【内 容】
今回は、知多支部だけでなく、他支部の方々の参加もあり、参加者19名といつもよりにぎやかな研修旅行となった。
初日は、6時に大池公園テニスコート横駐車場へ集合し、車に分乗し出発。途中、他支部の方々と合流し一路、大台ケ原へ向かう。途中道路工事で迂回するなど思わぬ時間がかかり、予定時刻の10:30に30分遅れ、11時に全員到着。
西大台は、日本初、唯一の「利用調整地区」である。「利用調整地区」とは、将来にわたり良好な自然環境を保持するために、立ち入り人数などを調整する地域のこと。私たちはまず、大台ケ原ビジターセンターで事前レクチャーを受講する。そして立ち入り認定証を首から下げ、2グループに分かれて(10人を超える団体での利用は禁止)西大台散策スタート。
散策をはじめてまず目についたのがミヤマカタバミやワチガイソウ、スミレ類などの小さな花々、ミヤマシキミの花と実。そして倒木や地面を覆うスギゴケ類をはじめとする様々なコケたち。川岸に群生するバイケイソウも小ぶりながら見ごたえがある。様々な小鳥の声が聞こえる。特に美しいのはミソサザイやウグイスのさえずり。
昼食は、川のほとりで摂る。川ではオオダイガハラサンショウウオはいないかと探したが、出会うことはできず、無数の小さな川虫たちが生息していた。
さらに進むとミズナラやブナ、トウヒ、ウラジロモミ、カエデ類の巨木が目につく。そして立ち枯れの木や倒木にはサルノコシカケ科の大きなキノコが生えていた。不思議な植物、ギンリョウソウも至る所に生えていた。エゾハルゼミの抜け殻と思われる透明感のあるセミの抜け殻もたくさん付いていた。ニホンジカとナガレタゴガエルの鳴き声を確認する。散策を終え、駐車場で一部の方がかわいいネズミを観察できたようだ。
宿は、大台ケ原駐車場脇にある心・湯治館。
2日目
は、早朝、希望者のみAM3時に集合し「日出ヶ岳」へ日の出を見に行く。美しい朝日が見られたようだ。出発まで各自で朝食と自然観察、ビジターセンター展示物をみる。 2日目の最初の観察ポイント、「丹生川上神社」で国の天然記念物「ツルマンリョウ」を見る。宮司さんより様々なお話を伺う。近くの川ではカジカガエルの声を耳にする。昼食を摂り、午後は、ニホンオオカミの記念像を見ながら南限のスズラン群生地、「吐山スズラン群落」へ向かう。スズランはちょうど花の時期であった。ここでは、シュレーゲルアオガエル、アマガエル、アカガエル、トノサマガエルと4種類のカエルに出会えた。そして帰路につく。
今回は、日本有数の多雨地である大台ケ原であるにもかかわらず、良い天気に恵まれ気持ちよい自然観察が楽しめた良い研修旅行であった。(記・牧野)
尾張支部から参加された山田さんの記録
【観察した生き物】
◎植物
ミズナラ、ブナ、トウヒ、ウラジロモミ、ジャケツイバラ、シャクナゲ、シナノキ、サワクルミ、カエデ類、オオカメノキ、トチノキ、ヒメシャラ、ツタウルシ、サワフタギ、ミヤマシキミ、ミヤマカタバミ、ワチガイソウ、ヒメミヤマスミレ、チャルメルソウ、バイケイソウ、キランソウ、カワチブシ、ギンリョウソウ、ツタウルシ、テンナンショウの仲間:<コケ>スギゴケ類、ヒカゲノカズラ、ホソバトウゲシバ、他
◎昆虫
トビケラ、カワゲラ幼虫、カゲロウ幼虫、オオセンチコガネ、エゾハルゼミ脱け殻、
◎鳥
ミソサザイ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、キバシリ、ウグイス、オオルリ
◎その他
シカの声、ナガレタゴカエルの声、ネズミ、サルノコシカケ科、ツガサルノコシカケ、カワラタケ、ツリガネタケ
【観察会の様子】
【左】大台ヶ原ビジターセンターで事前レクチャー受講 【右】まず、大台教会にお参り
【左】整備された登山道 【右】林床のササは鹿に食べられ地肌が露出
【観察会続き】
【左】西大台踏破後の元気な面々 【右】ミゾサザイ
【左】落葉広葉樹林を行く 【中】カボチャのミズナラの巨木の前で 【右】沢がたくさんありました
【左】駐車場近くの東大台の林内 【中】西大台展望台から大蛇ぐら 【右】東大台の尾根筋、伊勢湾台風とシカ被害
【左】日出ケ岳の御来光 【中】日出ケ岳、頂上展望台 【右】日出ケ岳、下山道
【左】元気なブナ 【中】開拓跡の看板 【右】シカ進入防止ネットの出入り口
【左】苔むした林床 【中】ワチガイソウ(ナデシコ科) 【右】ミヤマカタバミ
【左】ウツギ 【中】ミヤマネコノメソウとイワセントウソウ(白) 【右】ギンリョウソウ、花の中に虫がいます
【左】イチヨウラン(一葉蘭)? 【中】イチヨウラン(一葉蘭)? 【右】アカチシオタケ?
【左】ミヤマシキミ 【中】ムロウテンナンショウ 【右】ミネカエデ?
【左】ホンシャクナゲ 【中】アサノハカエデ 【右】ベニボタル類?
【左】オオセンチコガネ 【中】33 【右】エゾハルゼミ?
【左】ハカワラタケ? 【中】ツガサルノコシカケ 【右】ツリガネタケ
【左】38 【中】ノウタケの老菌 【右】ミヤマシキミ
【左】ミヤマカタバミ 【中】マンネンスギ 【右】大台ケ原の南、大雨影響の崩壊斜面
【左】ニホンオオカミ像。生息最期の地の東吉野村 【中】ツルマンリョウ(国天)が生育する丹生川上中社 【右】ツルマンリョウ(国天)の看板
【左】ツルマンリョウ 【中】東吉野村の町おこしに使われている旧小学校 【右】吐山(はやま)スズラン自生地(国天)入り口
【左】吐山(はやま)スズラン自生地 【中】スズラン 【右】タゴガエル(吐山で)
【左】シュレーゲルアオガエル(吐山で) 【中】アマガエル(吐山で) 【右】トノサマガエル(吐山で)
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