【行事名】　知多半島の海岸の虫を灯火観察してみよう（臨時）

【日　時】　２００９年９月４日(金)１９：００～２１：００
【場　所】　常滑市蒲池海岸
【天　気】　曇り、風やや強し
【担　当】平松俊、降幡
【参加者】　　大人14名、子供21名
　　　（会員：平松俊、降幡、榊原（正）、浅井）
【内　容】
　牧場、ため池に続き今回は砂浜で灯火観察を行いました。砂浜は砂が風や波によって移動するため足元が不安定で、乾燥が激しく、塩分が高いなど生き物にとって非常に住みにくい特殊な環境になっています。したがってそこには厳しい環境に適応した独特の生物相が見られます。どんな虫にあえるか楽しみに現地に向かいました。１８：３０に到着、すでに降幡さんが来ていて灯火設置場所も民家から離れた適当な場所が見つけてありました（感謝）。早速砂浜に装置を設置して観察を開始しました。海岸独特の虫が来ると思いきやアオドウガネ、ヒメコガネ、オオホシカメムシ、アオバアリガタハネカクシなどいつも見慣れている虫ばかり、ただ、ハエやヨコバイの仲間が異常に多いのが少し異なるくらいです。突然降幡さんが灯火から少し離れたところで大声で呼びました。何事かといってみるとなんと大型のクロメンガタスズメがばたついていました。南方系のスズメガで、図鑑では九州以南に分布と記されています。地球温暖化により北上してきたのでしょう。２０：００ごろ榊原さんがやってきましたが灯火にあまり虫が来ていないのでがっかりしていました。２０：３０ごろ浅井さんも顔を見せました。灯火に来た虫を少し見てから榊原さんと２人で波打ち際へ何かを探しに行ってしまいました。降幡さんが昨日（９月３日）仕掛けたベイトトラップは猫に荒されてしまったそうで、同じ種類のスナゴミムシダマシ類が２０匹ほど入っていただけでした。周りを探すとこのスナゴミムシダマシ類が草むらのいたるところで這い回っています。しかし灯火にはまったく寄ってきません。夜行性にもかかわらず光が嫌いなようです。２１：００過ぎ海浜性ハネカクシや小形ガムシ類がやって来て海岸の観察らしくなりました。２１：３０ごろにはシロスジコガネが飛んできました。海浜性の大型のコガネムシで、降幡さんは実物を見るのは初めてだそうで興味津々、みんなでこの珍客をじっくり観察し、集まった虫をチェックして２１：５０ごろ散会しました。今回の観察結果から海浜性昆虫の多くは光に集まる性質が乏しいように思われます。（記・平松）
【観察した昆虫】
◎灯火：　
　クロメンガタスズメ、シロオビノメイガ、キバラゴマダラヒトリ、キンウワバ類他ガ数種、シロスジコガネ、アオドウガネ、ヒメコガネ、チビサクラコガネ（？）、ビロウドコガネ類、ヒメガムシ、ゴマフガムシ類、ケシガムシ類、ナミテントウ、ヒメカメノコテントウ、ジュウサンホシテントウ、キアシクロゴモクムシ（？）、ウミベアカバハネカクシ、アオバアリガタハネカクシ、クロカミキリ、アカマダラケシキスイ（？）、ホソハリカメムシ、ヒメナガカメムシ、サビヒョウタンナガカメムシ、ウスモンミドリカスミカメ（？）、クロモンサシガメ（？）、アオバハゴロモ、ツマグロヨコバイ、シロミャクイチモンジヨコバイ（？）、ヒメトビウンカ、ショウリョウバッタ、マダラバッタ類、ミツカドコオロギ、オカメコオロギ（？）、エンマコオロギ、アオマツムシ、ウスイロササキリ、ホシササキリ、クサカゲロウ類、ハマベバエ（？）、ハラナガツチバチ類、ヒメバチ類
【観察会の様子】