【行事名】 「義朝の森」里山池の縁で灯火観察(臨時)
【日 時】 2009年7月29日(水) 19:00〜21:00
【場 所】 美浜町野間内扇「義朝の森」
【天 気】 曇り
【担 当】平松俊、降幡
【参加者】 4名
(会員:平松俊、降幡、沖田、浅井)
【内 容】
今回の観察は知多半島のため池の水生昆虫特にゲンゴロウ類の現状把握を目的に実施しました。知多半島では過去の調査で22種類のゲンゴロウが記録されていて(愛知県の昆虫)、その大部分が美浜町の記録です。観察池として里山池を選んだ理由は美浜町にあり、外来魚がおらず、水草が豊富でゲンゴロウの生息に適していると思われたからです。たくさんの種類が見られることを期待して家を出ました。19:00過ぎに到着、降幡さんと池のすぐそばに灯火装置をセットして虫が集まるまで2人でナイトハイクに出かけました。出かけてすぐ浅井さんと沖田さんがやってきて仲間に加わり、4人で林道を300mほど散策しました。雨上がりの好条件に恵まれ、真っ暗闇にたくさんのクロマドボタルの幼虫が黄緑色の淡い光で我々を迎えてくれ、幻想的な光のショウにしばし見とれました。虫の音を聞きながら散策を終え20:30過ぎに灯火場所に戻りました。灯火に来たのは羽アリ、ユスリカ、ヨコバイなど細かい虫ばかり、大型の虫が少なく、ウスバカミキリだけが目立ちました。目的のゲンゴロウ類は21:00頃にやっと1匹、結局21:30近くまで粘って、わずか2匹来ただけ、少なくとも5種類は見られると予想していたのでがっかりです。時期や灯火条件が悪かったのか、灯火に来る種類が少ないのか、里山池ができて日が浅く、十分ゲンゴロウ類が居ついていないのか、理由はいろいろ考えられますが、知多半島のゲンゴロウ類が急速に減っているからではないでしょうか。事実、日本各地で水生昆虫の減少が著しく、埋め立て、護岸、農薬、水質汚染、外来魚などが主な原因だそうです。知多半島で減少しているとすれば最大の原因は外来魚の繁殖によると私は思っています。自己満足のため外来魚を放流する心無き行為に怒りを覚えます。今後も実情把握のため、各地のため池で灯火観察を続けていこうと思います。(記・平松俊)
【観察した昆虫】
◎ナイトハイク
クロマドボタル、キマワリ、アオバハゴロモ、キリギリス、ヤブキリ、ツユムシ
◎灯火
ガ多種、コシマゲンゴロウ、ホソセスジゲンゴロウ、コフキコガネ、スジコガネ、ハネカクシ類、ウスバカミキリ、アブラゼミ、チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、ツチカメムシ、コツチカメムシ(?)、アミガサハゴロモ、ヒトツメヨコバイ(?)、ベニヒメヨコバイ(?)、ユスリカ類、ウシアブ(?)、ハエ類、羽アリ多数
【観察会の様子】
【左】「義朝の森」の里山池の縁で灯火観察 【右】アオドウガネ、スジコガネ
【左】ヨツモンマエジロアオシャク? 【右】ヒメホシカメムシ
【観察会続き】
【左】スギに蛾がきました。
【中】少しずつ蛾が集まってきました。
【右】アゲハが眠っていました。
【左】シロテンウスグロヨトウ?
【中】コウンモンクチバ?
【右】オオウンモンクチバ?(知多半島ではよく見ます)
【左】モンキクロノメイガ
【中】12
【右】13
【左】14
【中】フジロアツバ?
【右】16
【左】マエキトビエダシャク
【中】アカジママドガ
【右】スカシエダシャク?
【左】オオシラホシアツバ?
【中】モンキシロノメイガ
【右】22
【左】ヨツモンマエジロアオシャク?、ホソバガ類
【中】アオドウガネ
【右】クロマドボタルの幼虫が光っていました。
【左】キマワリ
【中】ウスバカミキリ(何匹も灯火に来ました)
【右】クロシデムシ(日本最大のシデムシで4cm程もあります
【左】コガネ類
【中】コフキコガネ
【右】スジコガネ(成虫は針葉樹の葉を食べます)
【左】ビロウドコガネ類
【中】コシマゲンゴロウ(今回観察会の目的のひとつです)
【右】クシコメツキムシ類
【左】コオロギ類の幼虫
【中】ヤブキリ
【右】オンブバッタ
【左】バッタ類の幼虫
【中】マダラカマドウマ?
【右】ツチカメムシ
【左】クサギカメムシ
【中】アビラゼミの羽化
【右】ミミズク
【左】ニイニイゼミ
【中】アブラゼミ
【右】ヨコバイ類
【左】アオバハゴロモ
【中】ツマグロトビケラ(大型で平地の池にすむそうです)
【右】ヒメバチ類
【左】ハナバチ類
【中】ウシアブ
【右】ナガコガネグモ
【左】アシダカグモ
【右】ヤマナメクジは大きいです。