【行事名】 旭高原元気村灯火観察(臨時)

【日 時】 2009年6月27日(土)〜28日(日)
【場 所】 豊田市旭高原元気村周辺
【天 気】  晴れのち曇り 28日 曇り
【担 当】平松俊、降幡
【参加者】 (会員:平松俊、降幡、榊原正)
   
【内 容】
 日本ではこれまでに約160種類の糞コガネが記録されています。糞コガネは糞を食べたり地中に埋めたりして地表から除去し、自然界の掃除屋として重要な役割を果たしています。昭和20年代知多半島は牛車が幅を利かし、田んぼや畑近くの路上にはたいてい牛糞が転がっていました。また畑のふちには人糞の入った肥溜めがあり、肥溜めを探せば簡単に糞コガネを見つけることができました。その後、車や浄化槽の普及により道路や畑から牛も人糞も消え、糞コガネもめったに見られなくなりました。しかし今でも牧場ならたくさんの糞コガネを見られるんじゃないか、山の牧場なら平地では見られない種類も見ることができるだろうと考え、旭高原(標高約600m)での灯火観察を実施しました。27日、参加者はわずか3名、大池公園から急遽現地集合に変更し、個々に車で旭高原に向かいました。途中偶然榊原さんと合流し15:20ごろ現地に到着しました。2人で灯火設置場所を決定し付近の観察を始めてまもなく降幡さんが到着、3人で栗林や散策コースを観察しました。夕食後、灯火装置を牧場内の牛舎横に設置し19:00過ぎに灯火観察を開始しました。糞コガネはなかなか現れずあせりましたが20:00ごろ最初の1匹が来て一安心、30分ほどの間に10匹以上やってきて以後ほとんど来なくなりました。代わりに大量のガが次から次にやってきました。メンガタスズメが来た時は全員興奮し、胸を押すとチイチイ音を出すので驚きました。大きなヘビトンボが来たのを最後に22:00ごろ灯火観察を終了しました。
 28日は5:00起床、朝食後湿地散策コースを観察し、9:00過ぎに観察会を完了しました。今回灯火に来た糞コガネはわずか2種類、期待はずれの結果に終わりました。時期や設置場所が悪かったのか、それとも牧場でも減ってしまったのでしょうか。今後、知多半島の牧場や段戸牧場など時期、場所をいろいろ変えて観察を続けていこうと思います。(記・平松俊)

【観察した生き物】
◎植物 
  ササユリ、サルナシ、アカシデ、アオダモ、シラゲガヤ(外来)、ハルガヤ(外来)、クマイチゴ、ニガイチゴ、クマノミズキ、ウツボグサ、イイギリ、ヤマハンノキ、キブシ、シコクママコナ、オカトラノオ、ホタルブクロ  
◎昆虫灯火
 メンガタスズメ、オオミズアオ(?)、ヒョウモンエダシャクなどガ多種、ヒラタゴミムシ類、ハネカクシ類、オオモモブトシデムシ(?)、カドマルエンマコガネ、フチケマグソコガネ(?)、アシマガリビロウドコガネ(?)、セマダラコガネ、ナガチャコガネ、ヒメコガネ(?)、サビキコリ、オオツヤハダコメツキ(?)、ナミテントウ、ヨツボシテントウダマシ、ヒゲブトハムシダマシ、ジョウカイボン類、カミキリモドキ類、ルイスナガキクイムシ(?)、クサギカメムシ、ヒメホシカメムシ、マツアワフキ(?)、ツマグロヨコバイ、ウスバカゲロウ類、ヘビトンボ類、カワゲラ類、ヒゲナガカワトビケラ類、ユスリカ類、ハエ類、ヒメバチ類、羽アリ多数
◎その他
 キノコ:フサホウキタケ、ムラサキフウセンタケ(食)、サンコタケ
、カバキコマチグモ(クモ)、ダンゴムシ、サワガニ、モリアオガエル卵
【観察会の様子】
 
【左】旭高原元気村  【右】了解を得て、牧場に設置。

 
【左】たくさん飛翔してきました。  【右】おびただしい数が白布に付きました。


【観察会続き】

【左】メンガタスズメ
【中】キシタエダシャク?
【右】7


【左】キバラゴマダラヒトリ
【中】シロスジキノコヨトウ?
【右】フトオビホソバスズメ


【左】11
【中】カギバアオシャク?
【右】クルマスズメ


【左】14
【中】15
【右】16


【左】17
【中】アシマガリビロウドコガネ?、モンクロシャチホコ?
【右】19


【左】ウスキツバメエダシャク?
【中】21
【右】22


【左】23
【中】アオセダカシャチホコ?
【右】スジベニコケガ他


【左】26
【中】クワゴ?
【右】28


【左】29
【中】コイチャコガネ他
【右】31


【左】オオミズアオ?
【中】33
【右】クサギカメムシ他


【左】キバラゴマダラヒトリ?、マエキクロホソバ?
【中】36
【右】キバラゴマダラヒトリ(?)他


【左】ナミテントウ他
【中】39
【右】40


【左】41
【中】42
【右】コイチャコガネ、ナシイラガ?


【左】ナシイラガ?
【中】オスグロトモエ(?)他
【右】キベリネズミホソバ?


【左】カノコガ
【中】48
【右】サビキコリ


【左】50
【中】ヒメキマワリ?
【右】オオゾウムシ


【左】ケシガムシ類?
【中】クロカミキリ
【右】カドマルエンマコガネ


【左】サクラコガネ(?)他
【中】セボシジョウカイ(?
【右】コイチャコガネ、ツヤコガネ(?)他


【左】カツオゾウムシ?
【中】トビイロカミキリ
【右】アオハナムグリ?


【左】マメコガネ
【中】63
【右】オトシブミ?


【左】オバボタル?
【中】アシマガリビロウドコガネ?
【右】オオモモブトシデムシ、バッタ類の幼虫


【左】ミミズク
【中】クサギカメムシ?
【右】アメンボ


【左】イチモンジカメノコハムシ
【中】72
【右】クリタマバチが入ったムシコブ


【左】クリタマバチ
【中】カワゲラの仲間
【右】トビケラの仲間


【左】ガガンボ
【中】ホシウスバカゲロウ?、キベリネズミホソバ?
【右】ウスバカゲロウ類


【左】ヒメバチ類
【中】ハナアブ
【右】シマハナアブ


【左】左、カバキコマチグモの巣)。右 上が♀、下が♂
【中】ダンゴムシの交尾でしょうか。
【右】ほとんど陸で生活するサワガニ


【左】タゴガエル
【中】モリアオガエルの卵塊
【右】マツの枯れ木に生えるフサホウキタケ


【左】ムラサキフウセンタケ(食)
【中】サンコタケ(赤タイプもある)
【右】ササユリ


【左】サルナシの花、雌雄雑居性でしょうか。
【中】アカシデ
【右】アオダモ、果実になりかけ


【左】シラゲガヤ(外来)
【中】ハルガヤ(外来)上のシラゲガヤと共に牧場でよく見かけます。
【右】クマイチゴ


【左】ニガイチゴ
【中】クマノミズキ
【右】ウツボグサ


【左】イイギリ
【中】ヤマハンノキ
【右】キブシ


【左】シコクママコナ
【中】オカトラノオ
【右】ホタルブクロ


【左】笹からから夜露が噴出していました。
【中】調整池の中を観察
【右】旭高原から北を望む


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