【行事名】 南信・香嵐渓へ自然観察会旅行

【日 時】 2009年4月25日(土) 〜26日(日)
【場 所】 長野県阿南町化石館⇒飯田市美術博物館⇒下條村ランドユース(阿南化石の露頭)⇒浪合村冶部坂高原⇒根羽の大杉⇒豊田市香嵐渓
【天 気】 25日、曇りのち雨 雨 26日、雨 所により雪 曇り
【担 当】竹内秀、牧野、山田絹、浅井
【参加者】会員 13名(降幡・南川・山本・桑原・平松俊・永田・浅井・慎吾・正躬・山田絹・岩本・牧野・竹内秀) 
  【内 容】
 1日目 25日(土)  雨
 7時。雨を心配しながら長野に向け東海市を出発。正躬先生は23日より長野入りしているため化石館でで合流予定。「予定通り」途中から雨がふってきた。遅咲きの桜やハナモモの花を見ながら中央道園原経由で10時前に阿南町化石館につく。化石館ではたくさんの「お客」に喜んでくれお茶のサービスまであった。夜お世話になる、下条YHのオーナーでもと奥三河事前観察会支部長の村上さんが化石館で迎えてくださり、急きょ予定変更となったその日のスケジュールの立て直しにアドバイスをいただく。化石館ではデスモスチルスの歯や、ホオジロザメの歯、カニサイの下あごを初めとして、多彩な海の中の生き物が所狭しと並べられていた。小さいながらも充実した化石館だった。もうちょっとみたい・・・と思っていると。外から「ほら、出発するぞお。」の声。雨はだんだん強くなってくる。次は、飯田市美術博物館へ。
 美術博物館では、館の前に大きな桜の木が。1週間前に花が終わったとのこと。薄黄緑の花だそうで満開の時はさぞきれいだろうと思われた。昔半田空の科学館の学芸員をされていて、飯田市美博に変わってこられた村松さんが丁度おられたので、懐かしいお顔を拝見できた。常設展示を見ながら天竜川付近の地殻変動の話を聞くことができた。放散虫の端正な美しさにうっとり。目立つところに大きなジョーズの展示があり、白い歯はレプリカ、黒い歯は本物という話をお聞きして思わずさわっていたのはだれ?(ギザギザしていました)美術館では「版画に見る印象派」エッチングやドライポイントなどの作品が見られた。みなさん、自然界で見せるまなざしとはまた違ったまなざしで絵を見つめていた。
 なんだかおなかがすいてきたと、時計を見ると1時。村上さんの案内でそばの城で昼食。その後、コスモスの湯で風呂に入り早々に下条YHにはいる。もうできあがっているのはだれ?とにかく雨、あめ、アメ、ame。どうしようもない。宿ではさっそく宴会。村上さんがドイツビールの差し入れをしてくれた。夕方やっと雨が小降りになったので周りの森を散策。「謎の植物がある」というので、みんな勇んで行ったらふきのとうの開いた物でしたとさ。
 夜は、山菜の天ぷらのオンパレード。ウドに、山椒、アブラチャンに草ソテツ。つくしにオカワサビ。なんとハルジオンも天ぷらになっていた。
 夕方からできあがってたので、酔いが回って早く寝る人続出。10時にはみんな就寝。
 2日目 26日(日) 曇り 雨 雪 曇り
 6時。それぞれ車に乗り込んで、村上さんの案内で化石掘り。(本当なら昨日の予定)雨で増水した川を上って石たたき。さすが桑原さんの石をたたく姿には迫力と職人気質を感じた。一番収穫のあったのは根性の牧野さんと、石をたたかなかった永田さん。(他にもいたかもしれませんが・・)永田さんの眼力はやはり海岸で磨かれたもの??せっかく掃いていったながくつの中に水を入れてトホホだったのはだれ?
 8時半に地産地消の野菜をたくさん使った朝食をたっぷりいただいて出発!忘れそうだった熊の手を見せていただいた。一昨年の冬に村上さんが撃った熊の手だそうで、その大きさと爪の鋭さ、剛毛に改めてびっくりした。熊の両手をもってポーズしたのはだれ?
 やんでいた雨がまたふりだして、時部坂高原について蛇峠山に行こうとしたときは、みぞれ交じりの雨になりだんだん雪になってきてびっくり。麓の土産物屋でコーヒーをすすりながらどうしようかと考え、水芭蕉だけ見に行くことにした。ミズバショウとちょっと遅めのザゼンソウは見られたが、周りはちょっぴり白くなりかかって寒いの何のって・・・とにかく1時には香嵐渓で岡田先生と待ち合わせとのことで11時に時部坂を出発。
 だんだんみぞれも雨もやんできて、愛知県境を越えると道路まで乾いてきた。予定通りの時間に到着しておにぎりをほおばる。おにぎりの中の梅干しはもちろん自家製。  豊田市の小学校にお勤めの岡田先生。物静かで尋ねたことには誠実に答えてくださった。飯森山の斜面、香嵐渓周りを歩きながら次から次へと植物の名前が出てくる。また、巴川水系では・・・とかどこそこあたりではというお話もあり、よく歩き回って調べておられるのだなと感じた。ほかにも香嵐渓の植物も木が育ちすぎて日陰になってしまい、シダ類が茂ってきて今まで見られたものが減ってきているということがある。保全には木の枝を少し払ってやる必要があるという話。足助町でも、今までよく見られたものが盗掘によってや、田畑が荒れることによって植物の数が激減してきている物もある。という話が印象に残った。川の横に立つ杉の木には特定の物に下から上までまんべんなく傷の付いている物があった。ムササビが移動のために飛びつくのに使っている木だとのこと。どうも太さや場所で気に入る物があるらしいとのこと。3時過ぎに橋の上で記念写真を撮り帰路につく。車が動き出すまで見送ってくださる岡田先生にその人柄を感じながら香嵐渓をあとにした。
 松平インター経由で東海市役所4時半頃到着。(こんなに早いことも珍しいと言っているのは誰?)珍しく雨にたたられた観察会旅行だったが、最後の観察会が満足できる物だったことですべて○。そして、みなさん無事に帰ってこられたということで花丸ということで解散した。(記・竹内秀)
「香嵐渓で観察された植物」
ヤマルリソウ ナベワリソウ タニギキョウ カタクリ(実) ホウチャクソウ トチバニンジン ヤマハタザオ フタリシズカ ヒトリシズカ(花なし) カシワバハグマ モミジバハグマ ヒメカンアオイ ヤマジノホトトギス ヌカボシソウ ウラシマソウ キツネノカミソリ コクサギ シャクチリソバ ツルニンジン ムラサキサギゴケ アカネ シャガ ムラサキケマン カノツメソウ トリアシショウマ ウバユリ ニリンソウ カテンソウ クサニワトコ クサノオウ ヤマネコノメソウ ヒカゲノカズラ キランソウ ツボスミレ カヤラン クモラン ヨウラクラン ノキシノブ アサダ ミヤマヨメナ チャルメルソウ ヒメハギ タツナミソウ ショウジョウバカマ(実) キクザキイチリンソウ ウチワゴケ オカメザサ 

【観察した昆虫】
 灯火観察⇒イボタガ、ヤガ類、シャクガ類などガ多種、ハエ類、トビケラ類
 灯火以外⇒シャクガ類、メイガ類、ダビドサナエ、ナミテントウ、ハネカクシ類、ヒゲボソゾウ類、クワハムシ、ズグロアカハムシ、ベニボタル類、アワフキムシ類、ムラサキナガカメムシ(?)、アブラムシ類、ヒメバチ類、ハバチ類、ガガンボ類、ハエ類多種、ホソヒラタアブ、ハグロケバエ、ヒゲナガカワトビケラ類、カワゲラ類、カゲロウ類、ヒメカゲロウ類、シリアゲムシ類
【観察会の様子】
 
【左】阿南町化石館  【右】飯田武術博物館の伊那谷の地形 

 
【左】下条ランドで食事  【右】香嵐渓


【観察会続き】
長野県阿南町化石館⇒飯田市美術博物館⇒下條村ランドユース(阿南化石の露頭)


【左】阿南の化石産出場所の掲示 
【中】岐阜県可児市で最初に発見された名前
【右】管理人兼説明者からお話を聞く


【左】冨草小学校の校章のいわれ
【中】化石館内で記念撮影
【右】化石館を出たところ雨やまず


【左】飯田美博前のエドヒガンの巨木
【中】解説していただいた村松さんを囲んで記念撮影
【右】宿でドイツビールをたしなむ


【左】山菜料理の材料。ワサビ、タラ、コゴミ(クサソテツ)スギナ、ツクシ、コシアブラ、ミツバ、フキ、ハルジョオン
【中】調理された料理
【右】宿の軒下で灯火観察


【左】イボタガ
【中】18
【右】トビケラの仲間


【左】20
【中】21
【右】22


【左】シラカバの雄花と雌花
【中】ニガイチゴ
【右】モミジバイチゴ


【左】紫と白いフジの中、化石路頭地へ向かう
【中】化石さがし
【右】崖の上にある化石の露頭


【左】路頭地から下を見る
【中】たくさん化石を含んだ岩石
【右】分解してあった岩石から化石をゲット


【左】オオツクバネウツギ
【中】ワサビ
【右】断層


【左】分解されていた化石を含んだ岩石
【中】熊の手の冷凍
【右】熊の手を持って朝からご機嫌

浪合村冶部坂高原⇒根羽の大杉⇒豊田市香嵐渓


【左】冶部坂で雪の振る中に咲くコバノミツバツツジ
【中】ミズバショウ
【右】ザゼンソウ


【左】雪の中、ミズバショウとザゼンソウ観察
【中】根羽の月瀬の大杉
【右】下から見た大杉


【左】ヤマブキ満開
【中】ヤマエンゴサク
【右】香嵐渓、飯盛山で野草観察@


【左】香嵐渓、飯盛山で野草観察A
【中】香嵐渓、飯盛山で野草観察B
【右】写真になる香積寺の門


【左】マムシグサ
【中】ナベワリ
【右】タニギキョウ


【左】ヌカボシソウ
【中】ナツズイセンの葉は春から秋までお休み
【右】増えつつあるナツズイセン


【左】モミジバハグマ
【中】カタクリの果実
【右】カイドオシ


【左】キンポウゲ
【中】シャガ
【右】ウラシマソウ


【左】オオデマリ
【中】ムササビが移動するとき利用した木
【右】ムササビが利用した?


【左】ダビドサナエ
【中】カワゲラの仲間
【右】カゲロウの仲間


【左】68
【中】ヒゲナガカワトビケラの仲間
【右】岡田先生を囲んで記念写真


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