【行事名】 初夏の西三河の自然を尋ねて
西三河支部ほかとの交流会≪知多支部春季研修旅行≫
【日 時】 2007年 6月2日(土)〜6月3日(日) (一泊2日)
【旅 程】 6/2:阿久比町役場(7:25発)⇒西尾いきものふれあいの里(8:40着)⇒岡崎・北山湿地(11:55着〜昼食〜)⇒岡崎・茅原沢自然環境保全地域(14:30着)⇒寺野の大クス・薬師堂(15:30着)⇒宿泊地・腰掛山荘(16:45着〜腰掛川渓流で川遊び〜懇親夕食会〜灯火採集〜就寝)
6/3:山荘(7:30発)⇒六所山観察登山(8:30発〜10:10山頂着)⇒トヨタの森(11:45着〜昼食〜)琴平ふくろう谷&ビオトープ(14:40着)⇒帰路(15:30発)
【天 気】 2日晴れ、3日晴れのち薄曇り
【担 当】竹内秀代 、降幡
【参加者】 20名
(会員:竹内、降幡、山本、浅井(+息子さん)、中井康、小島、今西、永田、大嶋、桑原、山田絹、石原、榊原正、榊原靖、門脇家(4人)、小川)
【案内者】
西尾いきものふれあいの里=尾崎さん、山田さんのご両人に(ネイチャーセンタースタッフ)、茅原沢自然環境保全地域&寺野の大クス=西三河支部・三田さん、吉田さん、トヨタの森=原田秋男さん(とよたネイチャーゲームの会)、琴平ふくろう谷=前田さん(ふくろう谷の会、副会長)。
【西三河の地勢】
西三河は、私たちが住んでいる尾張地域が高温多湿な夏や伊吹おろしの冬という寒暖の差の激しい気候とは対照的で温暖な気候風土です。
・木曽山脈の南部を源流とする矢作川は愛知県を南流、三河湾に注ぎ、その下流では多量の土砂を流出し県内第3位の広さの西三河平野、即ち岡崎平野を形成。
・地質は約2億年前の中生代〜新生代初期にできた花こう岩(北部)や中生代に変化を生じた領家変成岩(南部)が主体です。
・垂直分布的植生は暖温帯のシイ、タブ群落の照葉樹林帯で構成され水平分布的には照葉樹林帯でシイ類、カシ類、クスノキ、ツバキ、タブノキ等て構成されています。
【観察会の様子】
【左】西尾いきものふれあいの里の維持・保全についてお話を聞いています。 【右】北山湿地の奥で保全状態のいいところです。
【左】発電機を持参して灯火観察をしました。 【右】トヨタの森の保全についてお話を聞きました。
@ 西尾いきものふれあいの里:到着すると木立の中にこぢんまりとしたネイチャーセンターが佇みスタッフ尾崎、山田さんのご両人に迎えられました。総面積22.4haの東部丘陵地の小草池を中心とするセンターゾーンと万燈山を中心とするサブゾーンに分けられ豊かな里山の自然に触れ合いながら自然観察、自然体験の場として平成11年5月にオープンしました。お赤飯の元祖、縄文古代赤米の苗植え体験水田、柿畑や空洞の無いハセドウリの育成棚等を案内頂き、ある程度消費する二次的資源も目指しているとの説明を受けました。一周して木々の緑がその濃淡を鮮やかに映している小草池に別れを告げ次の観察地へと向かいました。
@西尾いきものふれあいの里で観察した主な生き物】
◎ 植物
ヨシ、オトメサンザシ、オオフサモ、ナツアザミ、ヘラオモダカ、ショウブ、ヒメガマ、ウラジロ、チガヤ、ハメガレキソウ、アサザ、ノコンギク、ヨシハルジオン、ヒメジオン、センニンソウ、ゼンマイ、マンサク、アベマキなど
◎ 虫さん
ミノムシ、マイマイガの幼虫、クシヒゲコメツキバッタ、クサグモ、キチョウ、タテハチョウ、ヒオドシチョウ、ギンヤンマほか
◎ その他
ウシガエル(ショクヨウガエル)、アカミミガメ、カイツブリ、カワウ、コジュケイ、ハシボソガラスほか

【左】棚田が利用されていました。
【中】サジオモダカ植栽されていました。
【右】入り口にきれいな外来植物のユウゲショウが咲いていました。

【左】8
【中】9
【右】カシワマイマイ?

【左】ゾウムシの仲間がノアザミに来ていました。
【中】ヒゲコメツキ?
【右】ハコネウツギが植栽されていました。

【左】外来種のアカミミガメがたくさんいました。
【中】お赤飯の元祖の縄文古代赤米の苗です。
【右】オトシブミを開いたら卵が出てきました。
A 岡崎・北山湿地:湿地駐車場の近くでゆっくり昼食を摂り観察スタート。ヒノキ主体の森で環境省の「日本の重要湿地500」に選定された動植物の貴重種が生息する湿地として保存されています。岡崎市の中南部に位置し標高170〜190mの低い屋根の谷間にある湿地で、幾筋もの小流が流れ出し各所で停滞するため大小10数個の湿地が出現、かつミズゴケ類を主体とする湿地群です。昆虫類では湿地特有のハッチョウトンボ、ヒメタイコウチも見られホトケドジョウやタゴガエル等も観察できました。
A【岡崎・北山湿地で観察した主な生き物】
◎ 植物
ササユリ(まだ蕾でした)、ノイチゴ、ネコメソウ、ニオイスミレ、キンラン、ムラサキシキブ、カンアオイ、モウセンゴケ、トウカイコモウセンゴケ、ミミカキグサ、アリドオシ、ツルアリドウシ、ネジキ、モチツツジ、ミズナラ、ソヨゴ、クチナシ、サワフタギ、ツゲ、クロガネモチなど
◎ 虫さん
ニワハンミョウ、ブヨ、ザトウムシ、ウスバカゲロウの仲間、カミキリムシ、アメンボ、ヒメタイコウチ、キマダラセセリ、サナエトンボ、ハッチョウトンボ、ヘトンボの仲間、モノサシトンボ、カワトンボほか
◎その他
メジロ、ホオジロ、オタマジャクシ、タゴガエル、カワムツ、シマドジョウ、ホトケドジョウ、カナヘビ、ヤマカガシなど

【左】落葉樹が生えていた北山湿地の入り口です。
【中】靴裏についた種子を落とすマットがありました。
【右】モチツツジが咲いていました。

【左】タゴガエルでしょうか。
【中】ツチガエルでしょうか。
【右】ムカシヤンマ飛んで着ました。

【左】モノサシトンボ
【中】ハチョウトンボ
【右】アオモンイトトンボの♂でしょうか。

【左】ヘビトンボ
【中】アオモンイトトンボ?
【右】キマダラセセリ

【左】29
【中】ヤツボシハナカミキリ
【右】ナナフシ

【左】シマドジョウ
【中】カワムツ幼魚?
【右】ツルアリドオシ

【左】ウスノキ
【中】サワフタギ?
【右】イワウチワ

【左】ミヤマガマズミ
【中】コツクバネウツギ
【右】北山湿地内部
B 岡崎・茅原沢自然環境保全地域:西三河支部の三田孝、吉田さんご両人と合流、ご案内頂きました。当地域は、岡崎市東部の乙川(オトカワ)と男川(いずれも矢作川の支流)の合流地点にある樹林地域で、この内14.4haを自然環境保全地域として指定されています。かつ標高40mの川岸から同110mを前後する山稜との間に広がる、アラカシを主とした常緑広葉樹とコナラ等の落葉広葉樹との混合天然林となっています。林内には、低地にありながらヒメシャラ、トチュウヒメshクの落葉広葉樹が頻度高く出現、県内でも稀な地域との説明に一同,じっと傾聴していました。
入口正面に鎮座する岡崎市指定の文化財・茅原沢神明社を参拝し次の目的地へ出発しました。
B【岡崎・茅原沢自然環境保全地域で観察した主な生き物】
◎ 植物
ヒメシャラ、イチヤクソウ、オオシズ、ギンリョウソウ、アキノギンリョウソウ、アラカシ、ツブラジイ、コナラ、アベマキ、サカキ、ヤブニッケイなど
◎その他
シャクガの幼虫

【左】茅原沢神明社の舞台前で
【右】501


【左】神社の裏にヒメシャラが自生していました。
【中】イチヤクソウ
【右】シャクガの仲間
C 岡崎・夏山町寺野の大楠と薬師寺:樹齢約640年、幹囲12m、根廻り27m、樹高36m、一同唖然と見取れていました。とにかく立派の一言です。昭和43(’68)年11月県天然記念物に指定され、大きさは県内3番目とか。根元に立つと自ずから霊感を覚えるようでした。薬師堂に手を合わせ.一路、本日の宿・腰掛山荘に向かい走行30分程でイトトンボの舞う巴川上流・腰掛川に佇む山荘に到着,早速渓流で生き物たちと遊びました---。

【左】寺野のオオグスの生え際
【中】シノブの仲間がたくさん着生していました。
【右】隣にきれいな棚田がありました。
D 巴川上流腰掛山荘付近で水生生物・灯火に来る虫の観察:
【観察した主な生き物】
水生生物
灯火に来た虫
シロスジツトガ、ハネボソメイガ、トビゲラ、カワゲラ、シャクガの仲間、メイガ及びスズメガの仲間

【左】川で採集した生き物を調べています。
【中】灯火観察の準備ができました。
【右】タカハヤ?

【左】ヨシノボリの仲間
【中】アマゴ
【右】モンカゲロウ仲間

【左】ガムシの仲間
【中】ヒラタカゲロウの仲間
【右】ガガンボの仲間

【左】56
【中】57
【右】ニンギョウトビケラ?

【左】ナベブタムシ。ナベブタムシの仲間は水中の溶存酸素を利用して呼吸することが出来るため、一生を水中で過ごす事ができるそうです。
【中】淵にすむトビケラの仲間の巣
【右】カワゲラの仲間

【左】カゲロウの仲間
【中】カゲロウ、カワゲラ
【右】64

【左】カゲロウの仲間
【中】サワガニ
【右】カワニナ

【左】プラナリヤ
【中】ガガンボの仲間
【右】アトクロナミシャク

【左】スジモンヒトリ
【中】フタヤマエダシャク
【右】ヒメトラガ

【左】トビケラの仲間
【中】サカキエダシャク
【右】シャクガの仲間

【左】クロクモヤガ?
【中】78
【右】79

【左】80
【中】セスジナミシャク
【右】カクモンヒトリ

【左】トビケラの仲間
【中】シロシャチホコ?
【右】スジモンヒトリ

【左】ウスクロモクメヨトウ
【中】シャクガの仲間
【右】カワゲラの仲間

【左】ヨトウの仲間
【中】マエベニノメイガ
【右】ムラクモアツバ

【左】ナカジロナミシャク
【中】93
【右】シロモンオビヨトウ?

【左】ナカウスエダシャク?
【中】メイガの仲間
【右】ムネアカクロハナカミキリ
E 六所山観察登山:6:30に朝食、7:30出発、六所山(606m)の取っ付き点駐車場に8:20到着。西斜面の自然体験キャンプ場を後方に巻いて観察登山スタート。直ぐに胴径5cmはある山の守り神・アオダイショウと対面、暫くはヒノキの植林道を300mほど辿れば「合流点まで900m」の案内標識。ホトトギスの鳴き音を聴きながら一汗かく頃頂上直下の六所山神社を右に巻いて直ぐ頂上到着。残念ながら見晴らし優れずかつ狭い頂上に所狭しと樹苗が植えられ違和感さえ感じたのは私一人ではなかったと想います。一服して下山、登り1時間40分、下り40分の観察軽登山でした。
E【六所山で観察した主な生き物】
◎ 植物
ショウジョウバカマ、ミズ(花を付けていました)、ニオイスミレ、チゴユリ、クサイチゴ、マムシグサ、ツボスミレの仲間、ヒトリシズカ、ノギラン、ギンリョウソウ、ジシバリ、タケバイ、タニグサ、サンショウ、ミツバアケビ、マタタビ、ムラサキケマン、トラノオアセビ、イラクサの仲間、クラマゴケ、ヤマブキ、ホウノキ、コウゾ、ヒサカキ、カナクギ、アカメガシワ、ケンポガシなど
◎ 虫さん
カミキリムシ、ヒメシャクガ、ガガンボ、オトシブミ(幼虫&成虫)、ザトウムシ(メクラグモ)、オサムシほか
◎その他 ホトトギス、アオダイショウなど

【左】六所山山頂で一息入れました。
【右】ギンリョウソウ

【左】アカハネムシの仲間
【中】99
【右】オトシブミの仲間。

【左】オトシブミの卵
【中】ヒゲボソゾウムシの仲間
【右】カシルリオトシブミ

【左】イタドリハムシ
【中】アトボシアオゴミムシ
【右】106

【左】107
【中】焙烙山と六所山の間の遊歩道
【右】コアジサイ

【左】ウワバミソウ
【中】チゴユリ
【右】クサイチゴ

【左】ハタザオの花
【中】マタタビ
【右】イヌブナ

【左】フタリシズカ
【中】ムヨウラン?
【右】ニョイスミレ

【左】タツナミソウの仲間
【中】ウリカエデ
【右】ウラベニガサ(食)
F トヨタの森:とよたネイチャーゲームの会の白髭のヤギさんこと原田秋男さんのリードで里山保全のための整備・活用ゾーンなどを観察・学習しました。昔の日本の里山をひとつのモデルに平成7年から持続性のあるモデル林の整備に着手、内15haをトヨタの森として同9年にオープン。自然生態観察園などを整備してきました。また地域の皆さん、特に次世代を担う子供さん方をターゲットに森の土を使って粘土遊びや薪割りや竃でご飯炊きなど四季を通して盛り沢山のイベントを企画・実行されています。また、エコモニタリングと称してシデコブシ200個体の保護やフクロウの谷づくり等も行っていました。炭による水質改善テスト中の吉田池や湿生生物観察園等を観察して戻る際、森を裏側から見ると少ない植生の中、松林とその眼下に広がる風情が一昔前ののどかな里山風に映りました。
F【トヨタの森で観察した主な生き物】
◎ 植物
シデコブシ、ササユリ(開花していました)、マンサク、ヘビノボラズ、カギラン、ミズギボシ、タカノツメ、(葉汁が蚊に刺さされの痒みに効くそうです)、ヤブムラサキ、ナナミノキ、トウカイコモウセンゴケ、シラタマホシクサ、ミズギボウシ、カナムグラ、アベマキ、ソヨゴなど
◎ その他
マツモムシ(水面下を逆さに浮かぶ)、ハッチョウトンボ、カワムツ(ヌマムツ)、ミドリガメ、クサガメ、カワセミの巣穴

【左】ノアザミのオシベの運動を確認しています
【中】ネズミ穴を調べています。
【右】アオマダラタマムシ?

【左】カシワマイマイ
【中】オニスゲ
【右】ヤマユリ
G 琴平ふくろう谷:同会の前田副会長さんにご案内頂きました。7年程前に東海環状高速道の工事に伴い、ふくろうの棲息地をコンクリート壁で斜面化する計画が打出され道路公団との数次に亘る交渉の結果,平地に変更され、ふくろう谷、ビオトープの再・創生となった由。特にふくろう谷の自然環境保全のために尽力され現在でも営巣木や餌場の保全活動を展開中です。また工事で露出した水脈を活用したビオトープにカルガモの番が棲み付き安息な日々を送る微笑ましい姿も見られました。
ふくろう谷の会の皆さんに鄭重に御礼を述べ最終観察地を引上げようとした折、ミチオシエのハンミョウに道案内する風情で見送られ帰路に就きました(小川/記)。
末筆ながら今回、私達の知多支部交流研修会に際し、心惜しみなく丁寧かつご親切にご案内賜わりましたこと大変有難く、感謝にたえません。ここにHPを借りて厚く御礼申し上げます。
G【琴平ふくろう谷で観察した主な生き物】
◎ 虫さん
シオカラトンボ(♀&♂)、ショウジョウトンボ、オニヤンマ、ギンヤンマ、アオドウガネなど
◎ その他
カワムツ、フナ、メダカ、アカガエル、ショウブ、アシ、イヌノハナゲ、カルガモ、ハンミョウ、ヒバカリの死骸ほか

【左】琴平ふくろう谷の会の皆さんと記念写真
【右】ハンミョウ

【左】自家製のパンをいただきました。
【中】パン焼き釜
【右】ビオトープの運営について教えていただきました。

【左】琴平ふくろう谷の掲示板とビオトープ
【中】ヒバカリ
【右】アオドウガネ?

【左】イチョウウキゴケ
【中】ショウブの花
【右】コウゾの花