【行事名】 海岸植物群落調査研修会(NACS−J主催)

【日 時】 2006年5月28日(日) 10:00〜14:30
【場 所】 常滑市蒲池町・小林町の海岸
【天 気】 晴れ
【参加者】県内各地から33名の参加があり、内訳は知多22名(うち18名が自然観察指導員、以下同じ)、名古屋4名(3名)、西三河5名(3名)、東三河2名(0名)でした。
        
【内 容】
 午前中は蒲池コミュニティーセンターで室内研修です。はじめに保護協会の開発法子さんから挨拶と海岸植物群落調査の意義について説明がありました。保護協会が中心になって編纂した植物群落レッドデータ・ブック(1996)を解析した結果、特に海岸の植物群落が危機的な状況にあることが明らかになったことが、全国規模の調査のきっかけだそうで、2003年度から取り組んでいるとのことでした。続いて千葉県立中央博物館の由良浩さんから「海岸植物群落の特徴―特に砂浜の環境と海岸植物群落の関係―」と題して講演がありました。海でも陸でもない海岸という特殊な環境と、そこに成立する植物群落について説明があり、最後に海岸植物群落が危機に瀕するに至った原因についても触れられました。
 朝方降っていた雨も上がって、いい天気になったので、昼食は海岸でとることにしました。
 昼食後は、蒲池海岸で実物を観察して、海岸植物を覚える研修です。その前に階段状のコンクリート護岸に座った参加者に、由良さんから調査シートの記入方法について説明がありました。実際に海岸の様子を見ながら具体的に記入方法の説明がされたのでわかり易かったのですが、遮るもののない強い陽射しのせいで、暑さが少々気になりました。自然観察会では、生き物の名前は二の次で名前にこだわった観察会はできるだけ避けるようにという方針なのですが、今回はそれぞれの参加者が分担を決めて調査を行うことが目的なので、とことん名前にこだわります。蒲池海岸は海に囲まれた知多半島の中でも海岸植物が豊富に見られるところです。由良さんや植物に詳しい地元の指導員の後について目に入る植物を片っ端から見て回りました。ハマダイコン、コマツヨイグサ、オオフタバムグラ、ハマオモト、ハマヒルガオ、ハマゴウ、ハマボウフウ、ハマエンドウ、コウボウムギ、コウボウシバなど多くの種類を観察しました。最後に蒲池コミュニティーセンターに戻って、愛知県の海岸植物群落調査の分担を話し合いました。あらかじめ用意されていた調査候補地の書き込まれた地図を参考にして分担が決められました。参加者が多数いた知多地方は順調に決まったようでしたが、少数だった三河や渥美は大変だったかもしれません。

 保護協会からお越しの3人(開発さん、由良さんと調査データの入力を担当しているという宮崎さん)は、前日(27日)、知多に入られたのですが、宿泊先(常滑市大野の老舗旅館、大野の港が栄えていたころからの宿だから当然古い。しかし、ビジネスホテルなんぞよりよほど気が利いていると思う。)を手配した知多支部の降幡代表のはからいで、夕食を兼ねた懇親会が知多支部有志(延べ8名ほど)の参加で行われました。食卓に供されたクロダイの塩焼きを解剖して「タイのタイ」探しに興じたり、夜中、近所にある天然記念物の大樹を見に出かけたり、宿の主人も面白がって朝食に「イカリボウフウ」(ハマボウフウの葉柄を針で裂いて水に浮かべておくと裂けた葉柄が反り返って船の碇のようになる)を出してくれたり等々、客人からすると印象に残る知多来訪だったと思われます。後日、開発さんから送られたお礼のメールの一節に曰く「前夜からの懇親会で、知多支部のみなさんのパワーにはびっくりしました」。(記・榊原靖)

【研修会の様子】
 
【左】フィールドで熱心に実技研修をしています。

 
たくさんの皆さんが熱心に室内研修をしています。

研修会の様子(続き)
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