【行事名】 砂浜の海浜植物をみよう
【日 時】 2010年5月15日(土) 9:30〜11:40
【場 所】 常滑市蒲池海岸(砂丘地帯)
【天 気】 晴れ
【担 当】森田琢、中井三
【参加者】 一般 3名(大人 1名, 子供 2名)
(会員:森田(琢)、中井(三)、村瀬(由)、森田(博)、降幡(光)、
牧野(靖)、榊原(正)、山本(辰))
【内 容】
ここ数日の強風波浪が嘘のように去り、好天に恵まれた観察会を迎え
ることができた。潮時も大潮の干潮時間帯と重なり潮干狩りに訪れる人々も多く
見かけた。当日は国連地球いきもの会議(COP10)用の広報ビデオ制作のため、NHK
プラネット社スタッフ5名、常滑市役所生活環境課担当者1名も同行し、取材を受
けながらの観察会となった。
往路の観察は堤防沿いに繁る樹木(ダンチク)や植栽(トベラ)、草本(ハマエン
ドウ、ハマダイコン)の形態や生態を説明しながら西之口方面へ1Km程歩いた。帰
路の観察は蒲池海岸北端より砂浜に降り立ち、本題である海浜植物のコウボウム
ギ群落、ハマヒルガオ群落、ハマボウフウ群落、ハマゴウ群落(新緑期・未開花)、
スナビキソウ群落で立ち止まり、それぞれの形態・生態の特徴が話題となり話が
弾んだ。
中でも、ハマボウフウの根茎をスコップで試し堀りして深さ長さを実感したり、
ハマゴウの茎が這って広がる長さを確認したり、オカヒジキの塩味を賞味したり、
スナビキソウの芳香を楽しんだりと、皆が体感的な場の中に身を置けたことは非
常に良かった。後(当)日談であるが、当日の夕刻18時頃に再訪して同じ場所を歩
いてみたら、コマツヨイグサが文字通り宵の中で群生開花し、ハマヒルガオのピ
ンク絨毯から黄色の絨毯に様相がすっかり移り変わっていた。また、スナビキソ
ウの芳香が陸風に乗って一面に漂いアサギマダラの気持ちを味わう事ができた。
一方、海浜植物の周囲には要注意外来種アツバキミガヨラン(ユッカ)、オオフ
タバムグラ、陸からの侵入種クコ、カラスムギ等が広がりつつあるとともに、堆
積した飛砂の埋め戻し、漂着・遺棄された容器類の散乱、踏圧など人為の生態系
攪乱が目に付き、砂浜が置かれている現実も再認識した。
その他、当日はシロチドリの産卵場所の発見、様々な訪花昆虫との遭遇、鬼崎
漁協市場ではアサリの天敵であるマヒトデやツメタガイの大漁捕獲された様子の
観察など話題豊かな半日であった。(記・森田琢)
【観察した生き物】
◎植物
ハマヒルガオ、ハマエンドウ、 トベラ、コウボウムギ、ビロードテンツキ、ハマアカザ、オカヒジキ、ハマボウフウ、エノキ、ハマゴウ
、コマツヨイグサ(外来)、ユッカ(外来)
◎昆虫
クマバチ、ヒメハマトビムシ、
◎鳥
シロチドリ、
◎その他
ヒトデ、ツメタガイ
【観察会の様子】
【左】蒲池港で本日の予定、確認 【右】漁師の人がアサリに害を与えるヒトデとツメタガイを駆除して水揚げしました。
【左】COP10のPR用に使われる写真撮影が行われました。 【右】海浜植物の生育状態を観察
【観察会続き】
【左】ハマヒルガオのお花畑で
【右】ハマヒルガオ
【左】ハマエンドウ
【中】ハマダイコン
【右】トベラ
【左】コウボウムギ。左雄株、右雌株
【中】ビロードテンツキ
【右】スナビキソウの生育状況
【左】スナビキソウ
【中】ハマアカザ
【右】オカヒジキ
【左】ハマボウフウ
【中】ハマボウフウの長い根
【右】ハマヒルガオの蕾
【左】西風で曲がったエノキ(風衝樹形といいます)
【中】蔓で伸びて根を張るハマゴウ
【右】コマツヨイグサ(外来)
【左】ユッカ(外来)の仲間が繁殖していました。掘り取った株
【中】ヒメカクスナゴミムシダマシ?(海浜性の虫で海岸の草地の倒木やごみの下などに群がっています)
【右】サビヒョウタンゾウムシ?(どちらかというと、サビヒョウタンゾウムシは内陸部に、トビイロヒョウタンゾウムシは海岸部に見られるそうです。砂浜を這っていましたが見分けがつきません)
【左】スジクワガタ
【中】トホシクビボソハムシ(海岸のクコの葉に止まっていました。海岸以外でもクコのあるところにはたいてい見られます)
【右】ハサミムシ(昔は自宅近くでも見たような気がしますが、今は海岸でしか見なくなりました)
【左】クマバチ
【中】27
【右】28
【左】29
【中】ヒメハマトビムシ
【右】砂浜にシロチドリの卵がありました。
【左】砂浜の色に溶け込んだシロチドリの卵
【右】スチール缶、砂に埋まった部分は塗料がはがれず錆が来ていません。