【行事名】 干潟の生き物観察・ふるさと親子自然観察会
(愛知県自然観察指導員連絡協議会)
【日 時】 2007年7月29日(日) 9:30〜11:40
【場 所】 美浜町山王川河口⇒奥田海岸
【天 気】 晴れ
【担 当】 森田、永田
【参加者】 一般16名
(会員:森田、永田、山本、浅井、神野、降幡)
【内 容】
最近「おもちゃ王国」の誘致で営業が好転した「南知多ビーチランド」の裏手に広がる海岸が奥田海岸です。
今回は愛知県自然観察指導員連絡協議会主催のふるさと親子自然観察会として、その奥田海岸と脇を流れる山王川河口との両方の干潟で観察を行い、近い場所でも環境によって生息する生物が異なることを観察・体感することができました。
観察会当日は、明け方から少し雨がぱらつき、参加状況を心配しましたが、一般16名、会員6名、名古屋支部からも2名のみなさんが参加していただけました。また、参加者の中には5家族9名の子どもたちも含まれ、充分に“親子”自然観察会になっていたと思います。
9:30に奥田農協の駐車場に集合。簡単な説明ののち、近くの公園に車で移動、そこから歩いて山王川河口樋門付近に到着。ここでまず堤防の上から、双眼鏡を使ってチゴガニたちを観察しました。参加した子どもたちの中には双眼鏡を初めて触る子もいたりして、最初は上手に使えなかったりもしましたが、親や大人たちの手助けで上手に使えるようになり、良い経験になったことと思います。なお、このように双眼鏡で観察したのは、干潟でウェービング(一斉に同調してハサミを上げ下げする行動)をしている彼らを脅かさないためです。しばし彼らのユーモラスなダンスを観察してから干潟に降りて観察をしました。ここの干潟では、チゴガニの他、コメツキガニ、ヤマトオサガニといった泥の中の有機物をこし取って食べているカニたちや、ホソウミニナ、ヘナタリ、フトヘナタリといった河口の干潟表面によく見られる貝や、ソトオリガイ、オキシジミのような干潟の泥の中によく見られる貝などを観察することができました。
河口付近の観察を終えてから、奥田海岸に移動しました。到着後最初に指導員の森田氏から危険な生物の説明を受けてから、銘々がタモやバケツなどを持って、生物採集に熱中しました。海岸は遠浅で、所々に潮だまりが出来ていましたが、その中には縦歩きもできるカニのマメコブシガニがたくさんいました。このカニをたくさん捕まえている家族もあれば、追い込み漁の如く協力して魚を捕まることに闘志を燃やす家族、突堤脇で岩場の生物の観察に興味津々な家族など、それぞれが思い思いに1時間ほどの観察を楽しみました。この海岸では、アサリ、アカエイ、アミメキンセンガニなどの砂地を住みかとするものや、突堤付近で採取された、イボニシ、イソガニ、タマキビ、ヒザラガイなどの岩場を住みかにするものも観察することができました。
観察会の最後は“わかちあい”を行いました。これは、それぞれが採集した生き物をバットに仕分けをし、全員でそれを観察することを指しますが、知多支部での川や海の観察会では、必ず最後のまとめとして行われています。みなさんの頑張りで採集された、たくさんの生き物に対して、森田氏が丁寧な解説を加えられ、それぞれの生き物に対する知識を深めることができました。(記・永田)
【観察した生き物】
◎甲殻類
ヤマトオサガニ、オサガニ、チゴガニ、コメツキガニ、ケフサイソガニ、イソガニ、イシガニ、マメコブシガニ、アミメキンセンガニ、コブヨコバサミ、イソヨコバサミ、スジエビの仲間
◎軟体動物
ヘナタリ、フトヘナタリ、ウミニナ、ソトオリガイ、オキシジミ、サビシラトリ、アサリ、キサゴ、タマキビ、イボニシ、アラムシロ、ヒザラガイ、カリガネエガイ、ツメタガイ、シオフキ、バカガイ(アオヤギ)、ツメタガイ、ツメタガイの卵塊、イボニシの卵塊、アカニシの卵塊
◎環形動物
タマシキゴカイ、タマシキゴカイの卵塊・糞、ヤッコカンザシ
◎その他
ダイダイイソカイメン、タテジマイソギンチャク、ヨロイイソギンチャク、ヨコエビ、フナムシ、ヘラムシの仲間、フジツボの仲間、ハスノハカシパン、ホヤの仲間、ミズクラゲ、ウマヅラハギ、アカエイ、ヒメハゼ、アオサギ、カワウの死体、クモの仲間
◎植物
アナアオサ、ミル、アマモ、シロバナハマナデシコ、ハマゴウ、ヤマアワ
【観察会の様子】
【左】観察時の注意とみどころをお話しています。 【右】コメツキガニ
【左】コブヨコバサミ 【右】ヘラムシの一種
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【左】JA奥田農協にお願いをし駐車場に集合しました。
【中】最後の分かち合い。
【右】山王川で餌をついばむアオサギ
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【左】ウマヅラハギの稚魚。
【中】アカエイの幼魚。
【右】アカエイの幼魚のお腹。
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【左】ヒメハゼ
【中】クモの仲間
【右】チゴガニのダンス
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【左】マメコブシガニ
【中】ヤマトオサガニ
【右】オサガニ
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【左】アミメキンセンガニの背
【中】アミメキンセンガニの腹。足が全部、水かきになっています。
【右】強力なハサミのイシガニ。
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【左】イソガニ
【中】イソガニの腹にフジツボが付いていました。
【右】イソヨコバサミ
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【左】スジエビの仲間
【中】ヨコエビ
【右】フナムシ
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【左】フトヘナタリ
【中】ヘナタリガイ
【右】ウミニナ
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【左】ソトオリガイ
【中】オキシジミ
【右】サビシラトリ
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【左】アサリ
【中】キサゴ
【右】タマキビ
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【左】イボニシと卵塊
【中】アラムシロ
【右】ヒザラガイ
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【左】コンクリートの割れ目に住むカリガネエガイ
【中】カリガネエガイ
【右】ツメタガイと卵塊。ツメタガイがシオフキに空けた穴。
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【左】アカニシの卵塊
【中】タマシキゴカイの糞塊
【右】タマシキゴカイの卵塊
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【左】ヤッコカンザシというゴカイの仲間
【中】タテジマイソギンチャク
【右】ハスノハカシパン
![](49.jpg)
【左】ホヤの一種?
【中】アマモのはに付着していました。外来のフジツボと上は何でしょう。
【右】ミズクラゲ
![](52.jpg)
【左】ダイダイイソカイメンとヨロイイソギンチャク
【中】ハマナデシコ。白花タイプ。
【右】ハマゴウ
![](55.jpg)
【左】ヤマアワ
【中】アマモ
【右】ミル