【行事名】 旧正月に七草を食べ健康になろう

【日 時】 2004年2月7日(土) 9:30〜12:00

【場 所】 知多市「梅の館」と佐布里池周辺

【天 気】 晴れ、弱風で少し寒かった

【参加者】 一般 大人8人、子供5人
        (会員:降幡、加藤、村井、榊原正、森田、金内)

【内 容】
 ちょっと遅い話題ですが「七草ナズナ、唐土(とうど)の鳥が日本の国へ、渡らぬ先に、七草ナズナで、ストトントン・・・」と歌いながら七草をまな板の上で刻んで七草粥(がゆ)を作っている地方も残っているでしょうか。あるいは子供のころの経験がある方もお見えでしょう。大陸から悪い病気や害虫が来て作物に害を与えないように歌いながら願掛けをしたと言われています。実際に稲に害を与えるウンカなどは日本の寒さに耐えられなくて死滅するそうです。でも毎年ウンカが発生して稲に害を与えます。これは暖かくなると毎年東南アジアから移動してくるといわれています。ウスバキトンボと同じような生活をしているのでしょう。
最近、七草の全部が採集できるところが少なくなっています。一番手に入らないのはホトケノザ(コオニタビラコ)でしょう。七草のころ八百屋さんでパック入りの七草が販売されています。水田にいくらでもあったホトケノザが最近無いため栽培して七草用に販売しているそうです。ちなみに、「梅の館」近くの水田にたくさん生えています。ここの水田は圃場整備されていなく、形や大きさが不揃いです。(水田に入る時は持ち主の了解を取ってください)ホトケノザは種子に冠毛(かんもう)が付いていないので種を飛ばすことができません。水田を圃場整備するとホトケノザは移動できないので再び生えるのに長い年月が必要なのです。
  試食にした野草は近くで採集した物を使いました。調理は「梅の館」で調理を担当している講師の方に協力していただきました。よって出来上がりは、料理屋さんで作ったようなものができました。参加された方は美味しい美味しいの連発でした。

【試食した野草】
@ お粥→セリ、ナズナ、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベ、ホトケノザ(コオニタビラコ)、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)
A テンプラ→セイタカアワダチソウ、カラスノエンドウ、オオアレチノギク
B おしたし→ハルノノゲシ、レンゲ、ハコベ
C 漬物→スイバ、ダイコン+キウリグサ
D キンピラ→タンポポの根
E ピクルス→タンポポの蕾
F 飲み物→タンポポの根のコーヒー  

【観察会の様子】

 
【左】「梅の館」のホールに集合し、七草について簡単説明をしています。
【右】「梅の館」の土手を直ぐ下りた所に、ハコベがありました。

 
【左】春の七草のハコベです。おしたしで食べられます。また、催乳の効果あるといわれています。
【右】ホトケノザが日当たりで咲き出しました。

 
【左】ホトケノザです。これは春の七草のホトケノザではありません。弱い毒性があるので食べないでください。
【右】春の七草のナズナが花と実を付けています。名前は撫(な)ぜる位愛らしい草の意味もあるそうです。写真は撫ぜています。

 
【左】先輩がナズナでの遊び方を披露しています。ナズナは利尿、解熱に効果があるといわれています。
【右】オオアレチノギクです。荒地でよく見かける草で別名テツドウグイサとも言われ、全国各地に鉄道の敷かれる頃、鉄道と共に広まったみたいです。

 
【左】オオアレチノギクです。秋に芽生える越年草で、ロゼットで冬越しをして、春から急速に背が伸びます。
【右】信濃川に春の七草のセリが生えていました。

 
【左】カラスノエンドウです。シビビーといって、子供たちが草笛にする野草です
【右】水田一面にコオニタビラコが生えていました。最近あまり見られなくなった春の七草のホトケノザです。

 
【左】スイバでスカンポといっている地方もたくさんあります。長野県ではスイコといっていました。
【右】オニタビラコです。おしたしでもテンプラにも利用できます。こちらの種は風で飛びますが、コオニタビラコは風で飛びません。

 
【左】外国からやってきたハルノノゲシです。おしたしにしてもあくが少ないです。
【右】レンゲソウの根に白い粒がたくさん付いていました。これは空気中の窒素を固定する根粒バクテリヤです。子供が熱心にルーペを覗いています。

 
【左】子供たちが側講の穴を使い、側溝通信をしています。子供はいろいろな遊びを考えます。
【右】キジの羽を見つけました。何かに襲われたみたいです。オオタカもキジを襲うでしょうか。

 
【左】真っ先にキジの死体に、子供たちが集まりました。死体を見ることも自然を理解する上で大切なことです。
【右】キジのオスみたいです。捕食者は真っ先に腸(はらわた)食べます。

 
【左】佐布里池の堤下の陽だまりで記念写真を撮りました。
【右】既に調理が始められていました。これはタンポポの根を黒くなるまでフライパンで炒って、煮出しています。(タンポポコーヒー)

 
【左】タンポポの根のキンピラとハルノノゲシのおしたしです。
【右】カラスノエンドウのテンプラです。

 
【左】タネツケバナの生です。刺身のツマによく合います。少しワサビ見たいにピリイとします。
【右】白い方がダイコンとキウリグサを揉んだ物で、冬にキウリの香りを楽しめます。少し赤い方がスイバの塩漬けです。こちらはご飯のおかずにに合います。

 
【左】七草入りのお粥です。スズナ、スズシロは人工物で、その他の5種類が揃うところは最近少なくなっています。
【右】タンポポコーヒーが出来上がりました。円やかでいい味でした。

 
【左】子供たちは複雑な表情をしながらも全部平らげました。
【右】我がスタッフも味見をしています。プロが調理したので大満足でした。


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