「日長神社の自然豊かな森を観察しよう」
平成15年12月6日(土)
知多市地域文化センター主催
今年はまだ厳しい寒さが訪れません。よく雨が降ります。今日も集合時間の前にまとまった雨が降りました。長い目で見ることはできませんが、私達の贅沢で気候が少しづつ変わっているのでしょうか。
日長神社を目指す前に、自然の様子を比較するために集合場所の駐車場で周りに生えている樹木や草について、皆さんに意識していただきました。年配者の人の話では40年ほど前、駐車場のあるところは海の波打ち際で砂浜だったそうです。お話を聞いた後、鎮守の森といわれている日長神社をめざしました。
日長神社は冬になっても葉を落とさない常緑広葉樹林になっています。こんな森になるまでに500年〜600年くらいかかるそうです。大昔の愛知県のほとんどは、日長神社のような薄暗い森で覆われていました。その後、人間活動によって森が切り開かれて、このような森を見る事が出来なくなってしまいました。ですから鎮守の森は大事な遺産です。大切にしたいものです。
参加者の感想: 日長神社は神が宿る聖地という感じでした。
【左】少し雨がやんできたので駐車場から日長神社へ出発です。
【右】神社の縁で、マンリョウに止まったアブラゼミの抜け殻を見つけてくれました。
【左】ノコンギクが咲いていました。この仲間をみんなノギクと呼んでいました。匂いをかいで見ました。
【右】イヌビワが美しく黄葉していました。花は外に出ませんのでイヌビワコバチが受粉をしてくれます。
【左】イヌビワの変種でホソバイヌビワといいます。知多には結構多いですが、他は少ないようです。
【右】タマサンゴの実です。神社の外にあった外来植物です。ナス科ですので実はミニトマトに似ています。
【左】美しい実がついたセンリョウです。鳥さんが植樹してくれたみたいです。
【右】サカキの芽の先です。爪みたいになっているのが特徴です。名は栄える木からで、縁起植物です。
【左】テイカカズラの種子です。名は藤原定家からです。いわれを調べて見ましょう。
【右】ヤスデの仲間です。人には噛み付きません。落ち葉を食べて分解し土にしてくれます。
【左】アシナガバチの巣が落ちていました。
【右】木と木の間からシダの仲間のノキシノブが生えていました。これは寄生ではありません。着生です。
【左】枯れ木を取ったら、モリチャバネゴキブリが出てきました。森に住むゴキブリで家には入りません。
【右】オオムカデの仲間のアオズムカデがいました。ムカデの仲間は動物食です。毒が強いから注意をしましょう。
【左】「わたくしこの木お気に入りです」。この木はたくさんのシイの実を落としてくれました。
【右】 日長神社の社の東側にあるシイを主体としたすばらしい照葉樹林の林内です。ここが見所です。
【左】シイの実がたくさん落ちていました。フライパンで炒って食べるとおいしいです。
【右】ヤブツバキの種子です。ヤブツバキはヤブツバキ域といわれて、暖帯樹林の指標になっています。
【左】この木の瘤(こぶ)は、一名、木のガンといいますが、こぶ病菌におかされたものです。(菌類の一種です)
【右】参道も常緑広葉樹に覆われています。照葉樹林・常緑広葉樹・鎮守の森は同じものです。
【左】写真は少しボケていますがミミズバイです。南方系の植物の特徴で、枝から果実が出ています。
【右】地面を動かすくらい幼虫がたくさん集まっています。名前は現在、調べていますがガガンボの仲間では?
【左】紅葉谷(もみじだに)で記念写真をとりました。
【右】 帰りに子供が桃色の美しい実を拾ってくれました。ムラサキシキブです。名前がいいですね。
【左】赤い実が落ちていました。鳥もちをつくるモチノキです。先輩たちは生き物を有効に利用してきました。