【行事名】
奈良県の自然を訪ねて(知観・親睦研修旅行)
【日 時】
2010年5月15日(土) 〜 16日(日)
【場 所】
奈良県
1日目:奈良公園→春日山原始林
2日目:貝ヶ平山→吐山スズラン群落→宇陀カザグルマ自生地→室生寺→神野山
【天 気】
晴れ
【担 当】
竹内秀、牧野、降幡
【参加者】
会員 降幡(1日目のみ)、浅井、浅井そうくん、榊原靖、平松俊、桑原、畠、竹内秀、永田(2日目のみ)、牧野 10名
【内 容】
今回は、2日とも自然観察指導員奈良連絡会代表の久保田さんに案内を依頼し、非常に濃厚な研修旅行をすることができました。
まず、
1日目は、
高速道路渋滞で、春日大社駐車場で9:30待ち合わせ予定が11:30の2時間遅れの到着。そこから、久保田さんと田代さんの案内で、まず、奈良公園や春日大社周辺の森を観察しました。
はじめに目を引いた昆虫がオオセンチコガネ(ルリ型)。メタリックブルーのとても美しい甲虫です。はじめて見る美しさに感動しましたが、この甲虫は春日山では何度も出会い普通にいるようです。
奈良のシカについては興味深いお話を数多く久保田さんに伺いました。今、現在奈良のシカは、約1100頭、近年、減少傾向ににあるようです。彼らは慢性的な飢餓状態にあり、そのために奈良公園のシカの体格は、野生のシカよりもかなり小さいということです。シカのえさとなる樹木の影響もあるようで、シカが食べる樹木は、シカが食べ減少、代わりにシカが食べないナギは増加。同じくシカが食べないアセビも数多く目にしました。
シカが食べる木は、シカが食べることができる約2mの高さまでの葉がきれいに食べられており、樹木の下の部分が見通しがよくなっていました。これをディアラインというそうです。また、森の中にぽっかり開けた草原は、昔、食糧難のときに森を切り開いてつくったサツマイモ畑跡で、そこの草をシカが食べることで遷移が進まず、シカが草原を維持しているということも面白いと思いました。そこではイノシシのぬた場や脇の沢でのプラナリア、水生昆虫の観察もしました。
昼食を摂った公園にある「雪消の沢」では、シュレーゲルアオガエルの声を聞き、卵を水面に見つけることができました。
午後からは、春日山原始林を観察しました。
沢伝いの道ではイチイガシなどの巨木の観察。また、道しるべの様に所々でギンリョウソウを見たり、オナガミズアオ?、キノコ、タゴガエルの声なども観察しました。残念ながらヤマビルはいませんでした(塩水までかけて万全だったのに・・・)若草山頂上のは、久保田さんに奈良の風景を見ながら歴史や文化など多義にわたりお話をしていただきました。
夜の懇親会では、久保田さんと奈良自然観察会の大東さんもいらっしゃり有意義な話ができました。特に大東さんの観察手帳には感動しました。彼女は植物の葉やドングリなどを忠実にスケッチされておりそれで覚えていかれたとのこと。改めて‘‘しっかり観察する‘‘ことの大切さを実感しました。
灯火観察では灯火装置を宿のすぐ前にしか置けず、小さな虫がパラパラ来ただけでした
2日目は、
朝、久保田さんと針テラスで待ち合わせ。その後、貝ヶ平山へ溶結凝灰岩の柱状節理を観察後、貝の化石を探しました。巻貝などが出るようですが私たちの見つけたものは二枚貝ばかりでしたが貝の中身の化石など興味深いものもありました。
その後、吐山スズラン群落へ。スズランはまだつぼみが出たばかりの状態でしたが、美しいカワトンボに満足しました。
宇陀では、カザグルマの自生地に行きました。ネットのフェンスで覆われていたので2〜3コの花を外から見ました。
室生寺では、建造物とともにシャクナゲやハナズオウなどの花々(終わりかけでしたが・・・)、暖地性シダ群落を見ました。
最後の神野山では黒い斑レイ岩の鍋倉渓谷を見上げ、山頂部ではオレンジ色のヤマツツジが満開でした。また、ここには1等三角点もありました。帰り道の池ではオオアメンボとコオイムシを見つけました。
今回は、久保田さんのおかげで効果的にたくさんの観察ポイントをまわることができました。本当に感謝、感謝です。(記・牧野)
【観察した生き物】
◎植物
◎昆虫
ベニシジミ、コツバメ、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、コミスジ、サカハチチョウ、アカタテハ、コチャバネセセリ、メイガ類、ヒゲナガガ類、シャクガ類、ヤガ類、オナガミズアオ?、カワトンボ類、ホソミオツネントンボ、シオカラトンボ、シオヤトンボ、ムカシヤンマ、ニワハンミョウ、ヤコンオサムシ、ゴモクムシ類、セスジゲンゴロウ類、ヒラタガムシ類、コガシラハネカクシ類、オオセンチコガネ、マグソコガネ類、ビロウドコガネ類、ウスチャコガネ、キスジコガネ、サビキコリ、シモフリコメツキ類、クシコメツキ類、キバネホソコメツキ、オニアカハネムシ、イタドリハムシ?、ハムシ類、ハナカミキリ類、カスミカメ類、ハルゼミ(鳴声)、オオアメンボ、マツモムシ、オオコオイムシ、モンカゲロウ類、コカゲロウ類、コガタシマトビケラ類、ヒゲナガカワトビケラ類、カワゲラ類、ユスリカ類、マガリケムシヒキ類、ツリアブ類、ホソヒラタアブ、マメヒラタアブ類、アシブトハナアブ、ハマダラヒロクチバエ、ハリバエ類、ハエ類、オナガヒメバチ類、ヒメバチ類、オオスズメバチ、クロヤマアリ、ムネアカオオアリ、ゴキブリ類
◎鳥
◎その他
【観察会の様子】
【左】春日神社の駐車場で待ち合わせました 【右】境内にモリアオガエルを見かけることもあるという。
【左】飛火野を流れる「お盃の渓流」にカワニナがいました 【右】「雪消の沢」の湧き水を観察しています。
【観察会続き】
若草山頂上で
【左】カシの雌花の解説をする田代さん 【中】原始林内の大きなモミ 【右】ツクバネガシの巨木
【左】久保田の天然記念物ルーミスシジミの解説 【中】原始林内 【右】若草山頂上からの御蓋山
【左】オオセンチコガネ(ルリ型) 【中】オナガヒメバチ類 【右】クシコメツキ類
【左】クチベニマイマイ? 【中】イワヒメワラビはシカに食べられていない 【右】背が低くても咲いているコナスビ
【左】新鮮な鹿の糞の中にコガネムシが 【中】イヌガシの花殻 【右】清流に住むプラナリアの仲間
【左】大きなイチイガシ 【中】実を付ける小さな葉・実を付けない大きな葉 【右】カワニナ
【左】御蓋山とディアライン 【中】雪消の沢のシュレーゲルアオガエルの卵 【右】ヒラタガムシ類
【左】アカガエルの抜け殻 【中】シオカラトンボ♀(ムギワラトンボ) 【右】鹿の子模様(夏毛)が出始めたシカ
【左】カエデ類に寄生するオオバヤドリギ 【中】愛護会が運営する鹿苑(シカの出産補助などしている) 【右】カラスザンショウを下から見たところ、油点がきれい
【左】ゴキブリ類 【中】ヒメハルゼミ抜け殻 【右】ヒメバチ
【左】オオスズメバチ 【中】腐生植物のギンリョウソウ 【右】オナガミズアオ?
【左】若草山から眺める春日山原始林の樹冠 【右】黄色い花は若草山のジャケツイバラ
【左】ハマダラヒロクチバエ(若草山の頂上にいました。樹液や獣糞を食べるそう) 【中】メイガ類 【右】コガタシマトビケラ類(灯火にたくさんやってきた)
【左】クシコメツキ類? 【中】ビロウドコガネ類 【右】ユスリカ類
【左】ヤガ類 【中】コカゲロウ類 【右】シャクガ類?
【左】マガリケムシヒキ類(灯火に二匹やってきました) 【中】サカハチチョウ(逆八と呼べるのは夏型です) 【右】コミスジ
【左】アカタテハ 【中】コツバメ(5月に見るとは驚きです。早春の蝶のイメージが壊れます) 【右】ムネアカオオアリ(山で見ます)
【左】シオヤトンボ(春のトンボです) 【中】サビキコリ 【右】カワゲラ類
【左】ヒゲナガカワトビケラ類 【中】カワゲラ類 【右】ハムシ類
【左】シモフリコメツキ類 【中】ヤマツツジが咲く、神野山の展望台に登っています。 【右】
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